【台湾人と日本人 考え方の根っこの違い】

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写真は畑の増え続けたパセリとカモミール。
先日で台湾の旅ブログは終了しましたが、
ブログをまとめながら、畑作業をしながら考えていた事があります。
台湾へ行くたびに思うのは、
「言葉が通じないのに、知り合いも東京ほどいないのに、
なぜ私にとって台湾はとても居心地のいい場所なんだろう」
と不思議に思っていました。
食事がおいしいから、人が優しいから、治安がいいから、日本と近い感覚を持っているから、
そんな理由だけではないはず。

そう思いつつ毎年通い、やっと今回帰ってきてわかったのは
” 台湾人の考え方の根っこが私にフィットするから ”
ということでした。
そこで今日は私が思う、台湾と日本の考え方の根っこの違いについて書こうと思います。

歴史的な背景、立地、気候などいろんな要因があるけれど、教育の違いが色濃く出ている事柄も多いので、
どこからどこまでが国民性と言えるかはわかりません。
あくまでも私の個人的な見解である旨を御理解くだされ!

<台湾と日本の考え方の根っこの違い>

1、お互いに気持ちを伝えるコミュニケーション

日本人は当たり障りのない受け答えを心がける機会が多いと思う。
「こんなこと言ったら、変な人に見られるかもしれない。」
「相手に不快に思われるのが怖い。」
「今は意見を言うより、その他大勢に埋もれていた方が得策だ。」
なんて考えが頭に浮かんで、思ってもいないコメントやいい人っぽいコメントをしたり、愛想笑いを浮かべるのみで対応したり。
私自身も25歳くらいまではそんな感じでした。

一方、台湾人はそんなコミュニケーションの取り方をしません。
まず自分の意見をはっきりと言い、意思を表現します。
私のお菓子についても、
「これはすごく可愛いけれど、それは好きじゃない」
と感想を述べてくれました。
これが私にとっては、とてもわかりやすくて清々しいコミュニケーションに思えます。
「好きじゃない」というのは相手を否定しているわけではなく、個人的な感想。
それを素直に言ってくれるから、私も素直に受け取れて、次に活かすことができます。
他にも、日本人だったら誰もが、
「正面から歩いてくる人とどちら側へ避けるかでマゴマゴしてしまう経験」
をしたことがあると思います。
相手がどっちの方向へ行こうと思っているのか、そして自分がどっちへ行きたいのかを考えてしまうのが原因。
台湾で、そんなことは稀だと思います。
日本のような” 左側通行 ”ルールはないのに、なんとなく人はスムーズに流れています。
それは” 自分が行きたい方向へ歩く “ことだけを考えているからなのかなと思うわけです。
個人的には、前から歩いてくる人の気持ちを読み取ろうとするよりも、
もっと単純に自分の考えを行動に移した方がシンプルで明快なコミュニケーションに思えます。

2、” 相手の立場に立つ “の意味

日本の教育では
” 相手の気持ちになって考える ”
という考え方を習います。
これ自体はとても重要なことだし、心地よい人間関係を気づくのに必要なスキル。
しかし日本では
「相手の気持ちになって考える」 = 「もし自分が相手だったらどうだろうと思いを巡らせる」
台湾では
「相手の気持ちになって考える」 = 「相手の置かれた状況を考慮して想像してみる」
と違いがあるように思います。

個人的には、
「もし自分が相手だったらどうだろうと思いを巡らせる」事は理解できても共感できません。
だって自分と相手は違う人間だから、それを知ろうとするのはエゴだと思うから。
自分の物差しで相手を測ることに疑問を感じてしまうのです。

一方で「相手の置かれた状況を考慮して想像してみる」のは
相手と自分が違う人間であることが前提にあります。
そして想像した結果を自分の行動に反映させることは大きな意味があるように思えます。
自分と他人は違う人、というベースがあるから、相手を思いやることができるんじゃないかなと。

3、自分も他人もポジティブにとらえる

台湾人は相手をとにかく褒める。
それも上っ面の
「すごーい!」
「かわい〜!」
みたいな褒め言葉ではなくて、理路整然とした説明をして褒めている場面をよく目にする。
そして自分にも誇りを持っている。
FBやinstagramの自撮りが多いところからも察することができます。
日本人は
「自分の顔をUPするなんて恥ずかしい。」
と思う人も多いけれど、
台湾人にはそういう感覚はないように思えます。
もちろん個人差はあるけれど、
台湾人は自分に対しても他者に対しても
悪いところより、いいところに注目することができるんだと思います。

4、謙虚である事と謙遜する事

その違いをあまり意識していない人も多いと思う。
私自身も少し前までは考えたことがありませんでしたが、調べてみるとそこには大きな違いがあります。

謙虚 = 自分の能力や地位におごらず、素直な態度で人に接するさま。

謙遜 = 自分の能力や価値などを低く評価すること。

台湾人と日本人では、ここでも大きな違いがあるように思えます。
日本人は
「私、頭悪いから。」
などと自分を下に持って行く” 謙遜 “からくる発言が多いように思います。
でも私の知っている台湾人はそんなことを言いません。
相手のすばらしいと思ったところを素直に褒める、それだけ。
もっと客観的で、自分を認めているんだろうと思います。

5、嫌味を言わない

日本の教育は協調性を養うことが重視されているように思えます。
みんなで足並みをそろえて同じことをやって、
得意なことも不得意なことも同じようなレベルまで引き上げようと努力します。
それも大切なことだと思いますが、自分と他人を比較して劣等感を感じてしまう原因にもなっているはず。
それが原因で誰かの功績を素直に受け止められず、嫌味を言ってしまったり。

台湾だとストレートにものを言い、素直な反応をする人が多いので、嫌味っぽいことを言われたことはありません。
私の語学力の問題で、気づいていないケースもありえるけれど。。。
個人的には、何か一つでも得意なことがあったら、例えその他の事が他の人よりできなくても、得意なことを伸ばしてもいいんじゃないかと思うのです。

6、考えているだけでなく、行動に移す

日本人は石橋を叩いて渡る人が多いと思います。
かくいう私も、相棒からするとその類らしい。
(直感が働いた時はガーッと前進しますが。)
台北ではお店ができたと思ったら、数ヶ月で店じまいするケースも多くあります。
東京もお店の入れ替わりが激しいと思っていましたが、
その比ではないくらいのスピードでお店が入れ替わります。

台湾人の友人曰く、
「何かが流行りだしたら、一気にその品を扱うお店が乱立して、ブームと共に一気に辞めていく。」
とのこと。

個人的には、考えるだけじゃなくて行動できるかが大きな分かれ道だと考えているのので、台湾人のその行動力にはいつもいい刺激をもらっています。
” 言うは易く行うは難し “とはまさにこの事ですな。

7、他者に興味を持つ

私が思う、一番大きな違いがこれ。
台湾人と話していると、たくさんの質問をされます。
「あなたの家族構成は?」
「なんで東京に住んでいるの?」
「旦那さんはなにをしているの?」
などなど、初対面の人でもプライベートなことをガンガン聞いてきます。
見方によっては、根掘り葉掘り聞かれることと同じなので、いい気がしない人もいるはず。
でもそれは
” 相手に興味を持っていること ” の証拠でもあると思うのです。

日本人は自分のことで精一杯で、他者に対する興味が薄く思えます。
勤勉に働き続けた結果、今の日本の発展があるのはわかるけれどもね。

例えばLGBTのパレードが開催された時、
台湾ではLGBTでない人も興味を持って、そのパレードに積極的に参加していました。
日本だったらLGBTの当人たちが集まって、そうでない人はちょっと遠巻きに見ているだけだろう。
私自身、興味のないことにはとことん興味がないし、他者に対する関心が薄いと感じることは多々あります。
マザーテレサの
「愛の反対は憎しみではない。無関心だ。」
という言葉がぐさりと刺さりますな。

ざっと思いつくのは、こんなところです。
どちらがいいというわけではなくて、これが私にとっての
” 台湾の居心地の良さ ”
だろうというだけの話です。
こうして書いていたら、また台湾へ行きたくなってしまった。。。。