【適切な距離感】

写真は焼き上がりのブリオッシュたち。
天板の上でみっちみちに乗せられています。
1回の焼成で80個ほどが焼き上がり、型から外して、冷ましたら、パッケージして出来上がり。
焼き目や盛りあがり方など、よく見ると個性あふれる姿です。


今日は「適切な距離感」についてのお話をしようと思います。


私は学生時代から
「人を観察しすぎだ」
と言われてきました。
興味があるから観察してしまうわけで、無意識ですが、それが相手にプレッシャーを与えてしまうケースもある。
頭では理解出来るけど、長年培ってきた癖はなかなか変えられません。
会社員時代に社長に指摘されたのが懐かしいな。

自分の中ではそれが相手との
適切な距離感
を掴むための行程とも思っています。
お互いがその時を心地よく過ごしたいから。

ものすごく単純な例を挙げると
私が相手と友達になりたいとしても、相手はそうとは限らない。
そこを考えずにこちらがぐいぐい近づいて行こうとしたら
相手は不快だし私は不毛。

表情や体の使い方(人間、警戒してる時は分かりやすく体勢に出ます)を見て
「この人はこんな発言をしても(近づいても)大丈夫だ」
と確認してから、言葉遣いや会話の内容を変えていきます。
実際は無意識でやっている工程なので、改めて文字に起こすと不思議な感じですが。

例えば、冗談を冗談として捉えてもらえない間柄で
「Tシャツしわしわだよ」
なんて言ったら相手を傷付ける可能性があるけれど、
私が相手に好意を持っている共通認識の上で
「Tシャツしわしわだよ」
と言ったら
「これさ、久しぶりに出したらしわしわだったんだけど、時間なくてさ、あはは」
と笑い合って、距離が縮まる。
ちなみにこれは、ほぼ初見だった広島の養蜂家FUKUBEEと会った時の実話です。
大好きな彼との企画もそろそろ固めなければ!

また他の例を出すと、
私はアドバイスが欲しい時には
私のことをよく知っていて、すでに信頼関係を築けている人
に話をします。
心理的距離が遠い人に相談したところで、
相手は一般的な回答しかできずに負担に感じさせてしまうし、私は的確なアドバイスを得られないと思うから。


よくあるのが、
「自分のことをよく知っている人ではないけれど、同じ業種の、少し先をいく先輩にアドバイスをもらう」
というパターンだと思います。
「このマルシェに出るには誰に連絡すればいいですか?」
みたいな、事務的かつピンポイントな相談はいいと思うのですが、
多くの問題の解決法はその人のことを知っていないとアドバイスできないのではと思っています。
例えば
「人気のある商品を作りたい」
と相談したい場合、
その作り手の得意分野と苦手分野、お店はどんなお客さんが多いのか、今後どういう方向性でお店をやっていきたいのかなど、その人のことやお店のことを分かった上でしかいいアドバイスはできないと思う。
だから私の場合は、私が心を開いていて、それを相手も理解していて、私やTSUCURITEのことを客観的にみてくれていて、そして他者に対する愛がある人に相談します。

逆に私が距離の遠い方から
「お菓子屋さんを開業したくて」
「店舗を構えたくて」
みたいな相談をされた時は、調べればわかるような知識と
「担当の保健所に聞くのが1番いいよ。」
みたいな一般的なアドバイスしかできないのでとても心苦しくなります。
どうも皆さん保健所に聞く事はハードルが高いようで身近なお菓子屋に聞こうという流れのようですが、
私は許可を出す側ではないのでためになるアドバイスはできましぇーん。

少し話がずれましたが、
その人との快適な距離感を推し測ることってとても大切だなと思う今日この頃。


私はお客さんからは
「気さくですね」
と仰って頂く事が多く、それは私の持ち味なんだろうと思っています。
無意識ですが、その場その時を楽しく過ごそうという気持ち、
つまりは私自身が自己開示して壁を作らないことがそう思わせるんだろうね。
しかーし、ただお菓子だけを買いたい方、近づいて来て欲しくない方にはそれ相応の対応もできますのでご安心を。

適切な距離感、しっかりと考えてるからね。