この日は胃の調子がおかしく、
質素極まりない晩ご飯。
ゴボウとれんこんの塩きんぴら
冷や奴
ワカメのおつゆ
ご飯
そして写真には写っていないけど納豆。
相棒はジャンクなご飯も好きですが、
こういう地味な和食も好きな様子。
納豆を食べる度に
「うまいっ!」
というのはいつまで続くんだろうか。
今日はちょっとした
「お菓子屋あるある」
について。
地味にお菓子屋をやっている私にも
ブログやメール、facebookでお菓子作りの質問がちらほらと来ます。
出来る限り答えようと努力はするのですが、
これが本当に難しい!
「プロのレシピで作ったら失敗した」
というのは、
作業工程のポイントをつかみ、
オープンの個性は数回やればつかめるから、
相談にのりやすい。
困るのは
「プロのレシピでこの材料を置き換えたら失敗した」
ってパターン。
プロの作ったレシピは
それぞれの材料の特性を考えて、
自分が作りたい食感や味を目指して調整してるから、
それをちゃちゃっとアレンジするのは
想像以上に至難の技なのです。
クッキーやパウンドの生地自体の配合を変えるのが難しいのはもちろん、
フィリングがチョコとレーズンでは構成成分が全然違うから、
接する生地温の上がり方も違うわけで、
その他の条件を変えずに1、2回でうまく作ろうなんて、
そりゃムチャなわけ。
参考までに
私が海外のお菓子を作る時のやり方。
まず伝統的なレシピを調べて、そのまま作ります。
そして目指す味や食感に近づけるべく、
レシピを変えていくわけですが、
重要なのはタンパク質量、脂質量、水分量
が変わらないように手を加えていく事。
糖質量も食感などに大きな影響を与えてくるけど、
私は甘さ控えめにして素材の味を活かしたいので、
そこは気にしていません。
しっとりさが足りない、結合力が足りないなど糖質が少ない事による弊害は
違う素材で補っていきます。
そして何回か試作&調整をしたらレシピの出来上がり。
代表的な置き換えである
牛乳と豆乳はそこまで難しくないけど、
バターとなたね油はそうはいきません。
バターはタンパク質が多く常温で固体、
なたね油はタンパク質がなく常温で液体。
性質が大きく違うわけで、
そのままで置き換えると全然違う仕上りになります。
自宅で食べるお菓子だったら、
そこまで考えなくてもいいのかもしれませんが、
中途半端な答えをするのは性に合わないようで、
質問をされる度に
「うーん。。。」
と頭を悩ませます。
私もプロではないので、
「こうしたらいいよ」
という一般的な法則みたいな物は見つけられていないので、
ケースバイケースで対応していくしかないのが現状。
お菓子を製造販売してお金を頂いている身として
「プロではない」
と言い切るのはどうなのかなとも思うのですが、
今の私は
私の中での『プロ』の足元にも及ばないと思っているから、
そう言い切ります。
大それた肩書きがあると、
なんだか不自由な気持ちになるしね。
どんどん偏屈オヤジになっていきそうな予感がするけど、
なったらなったで仕方ないか、
と開き直っている私。
かわいくなさ抜群です。