写真はアーモンドブレッド。
形を変えて、配合を変えて、今も模索中。
こういうシンプルなものは考えがいがあって面白い。
先日、久しぶりにブログを更新しました。
健忘録として残しておきたいことはたくさんあるのですが、9月からとにかく時間がなくて今に至ります。
少しづつですが、書いていこうと思っています。
台湾のことも合わせて。
今日は先日のポップアップについての文章の中に書いた
(ちょっとネガティブな考えさせられることもあったのですが、それは少し整理してまた書こうと思います)
について。
考えがまとまってきたので書き留めておこうと思います。
端的に言うと、出店先に転売ヤーがやってきました。
私も店頭でやり取りをしたのですが、なんとも言えない圧力と怖さを感じました。
大概のことには動じない私ですが、恐怖で手が震えたほど。
1日のうちに何回もやってきて、店頭でライブコマースをしたのが確認できた段階で、
「この後、大量に買いに来たら、どう対応したらいいだろう。」
とすぐに考え始めました。
その数時間後には買いに来るだろうから、早く対応を考えておかないとと。
私個人の感想としてはまず、
「賞味期限の長いお菓子を開発したことが裏目に出たな。」
と悲しい気持ちになりました。
ギフトや、催事でも使いやすいようにと開発して、お金払って菌検査にも出して、その結果がこの仕打ちかと。
また
「このお菓子、いくらで転売されているんだろう。」
「お菓子はどこに、どうやって送られていくんだろう。」
「有名な大手メーカーならまだしも、こんな弱小店にもくるんかーい。」
そんないろんな気持ちが入り乱れましたが、感情的になってもいいことは一つもないので、ひとまず感情のスイッチはオフにしました。
次に具体的に転売ヤーが来ることで何が困るかを考えました。
・在庫切れすること
感情を横においておくと、これだけだなと。
在庫切れが百貨店でNGだから、という理由もありますが、
お菓子を楽しみに来てくださる方ががっかりすることが何より困ること。
だとしたら、
「在庫切れしないように、作ってやろーじゃん。」
と舵を切るしかない。
ちなみに私は17時間製造が続いている状態で百貨店の店頭に立っているわけで、
気力のみで日々乗り切っている状態だったのですが、
ここは気合いでどうにかするしかないところだと腹を括りました。
一応、販売個数の制限(1種5コまでなど)をかけてお伝えしようと決めましたが、
まぁそれを守ってもらえるとも限らないしね。
ちなみに販売バイトを引き受けてくれた仲間、そして転売ヤー被害に合っている友人(彼女は雑貨)にもすぐLINEで相談をしました。
その中には色んな意見があり、とても参考になりました。
意見をもらえることがありがたい。
中には
「転売ヤーに狙われることを喜んでいる作り手もいる」
という話もありました。
確かに短期的にみたら、売上が上がるからいいという見方もできます。
ただ、
「ブランドを育てていく」
と言う観点でみたら、それはマイナス。
そのブランドの商品はもちろん、背景や姿勢などに共感してくれる方の手に商品が渡らないと、
そのブランド自体が
「消費されるもの」
になってしまう。
私は「會田由衣」と「つくりて」を育てていきたいと思っているから、長期的な視点だと転売ヤーの手に渡ることは好ましくない。
一方、大手お菓子メーカーの商品で転売ヤーが好んで買うものもあります。
ただ、それは工場生産で数を作れるから、メーカー側も困らない。
つまり、
「数を作れない」
という私側の問題も大きいと自覚しました。
個人店だから仕方ないとか、そういう言い訳は置いておいて、実際にそうであることに違いはありません。
そして結果、
転売ヤーに個数制限をお伝えしたのですが、圧力でその個数を超える量(在庫切れするほど大量ではなかった)を購入。
商業施設などで私よりいろんなお客さんの相手をしてきた経験豊富なスタッフですら圧倒されてしまったほど圧力が強い。
そして翌日からどうするか、私が最終的に出した答えは
「もしまた転売ヤーが来て大量に買おうとしたら『製造数に限界があって、多くの方に楽しんでいただきたいのでご協力いただけませんか?』というスタンスにしよう。」
でした。
正直に、本当の気持ちを伝えて伝わらないなら仕方ない。
結果、翌日以降にその方がいらっしゃることはありませんでした。
よかった!
ちなみに、私が店頭で転売ヤーと話をした時の印象では、その人に悪意みたいなものはないように見えました。
自分を客観的に見たときに、彼らは直接何か危害を加えてくるわけでもないのに、
「私は何が怖いんだろう。」
と疑問に思うところもありました。
これについてしばらく考えていたのですが、
「どこまで追ってくるんだろう。」
という怖さと、その不確定要素に対応できないかもしれないという恐怖なんだろうと思います。
またやってきて、ごっそりなくなってしまったら即対応できないかもしれない、と。
たぶん、これが趣味の範疇だったらまた違う感覚だろうと思います。
ただ、それを生業としている場合、プロとしてやっている場合、商品を在庫切れさせず用意することはマスト。
また食品の場合は仲介者を通して、どんな環境で、どうやって運ばれているかもわからないという怖さもあります。
そこで何か事故が起きたら、責任は製造者にあるとみなされるから。
そしてこれが、小売(仕入れて販売している)だったらまた違う感覚だろうと思います。
なぜなら仕入量を調整すればすぐに対応できるし、何か事故が起きても責任は製造者にあるとみなされるから。
人が多いところに出て行くと、良くも悪くもいろんな人の目に晒されます。
次に同じような状況になったときにどう対応すればいいのか、まだ明確な答えは出ていませんが、
基本的には
「対等な関係を築くこと」
を念頭にやっていきたいと思っています。
これは仕事でも、そうでなくても、他者とコミュニケーションを取る上で私が大切だと考えている姿勢です。
ちょっとネガティブなお話をしましたが、
もちろん99.9%は好意を持って接してくださる方で、つくりてを利用してくださることに感謝の気持ちでいっぱいです。
まとまりのない文章になってしまいましたが最後に一言。
こんなことがお菓子屋の自分の身に降りかかるだなんて、びっくりおったまげだわよ!