【11年目】

画像は渉が以前作ってくれたブランドイメージ。
なんか、ぽいよね。

今日で開業して丸10年。
目の前の目標をクリアする事だけを考えて日々過ごし、
気付いたら10年経っていました。
支えてくれ、一緒に面白がってくれた家族、友人たち、そしてお客さんたちのおかげです。
ありがとう。
老若男女そして国籍問わず、仕事で知り合った方やお客さんにも
「ゆいさん」
と親しみを持って呼んでいただけて幸せです。
アイアムユイ。

お店を構えてからつくりてを知ってくれる方がぐんと増えたので、
今日はこれまでの経緯を少し振り返り、
今の私がどんなことを考えているのかを書きます。

私は東京生まれ
東京都立大学建築学科卒業
→心身を壊して同大学院中退
→某広告会社で総務秘書
→某ベーグルカフェ勤務。ここでパン、焼き菓子、カフェメニューについて教えてもらう。

2011年
備忘録としてブログを書き始める。
材料の違いの実験をして毎日過ごす。

2012年 
鬼子母神手創り市に遊びに行き、ここに出なくてはという変な使命感に駆られ、菓子製造業許可を取得して開業。(当初はこれを生業にしようなんて覚悟はなかった)
同時期に、漬物グランプリという謎なコンテストで知り合った人の繋がりで、表参道にあるカフェ「文房具カフェ」にお菓子を卸すことになる。(この人は後につくりての経営サポートをしてくれる、公私共にお世話になりまくる親友となる)
この時からほぼ毎月、手創り市に出る様になる。
ESSEの誌面協力を始めたのもこの頃(ブログを見た担当者さんに声をかけてもらったのがきっかけだっけ?忘れてしまった。)

2013年
海外一人旅に行き始める。(スマホなしの時代によく行く勇気あったな)
文房具カフェのレシピ考案に携わらせていただき始める。(〜2015年)

2014年
ネットで見つけた台湾のマーケットに出たくて、単独で行き始める(現地で友達を作るという特技を発揮する)
この年から毎年、台湾でマーケットやワークショップなどの活動を始める。

2016年
パンタスティック!!に参加させて頂きはじめる(ブログを通じて知り合った方のご紹介)
この頃から商業施設の催事に参加する様になる。

2017年
台湾で私が慕っている兄&姉夫妻のパン屋「麥夢麵包」と台北で開催したフリーのワークショップがきっかけで、カナダのフェスティバルにアーティストとして招待していただく。
2ヶ月弱バンクーバーでスタッフたちと一つ屋根の下で暮らしながら準備をして、バンクーバーとトロントで「お菓子で作る景色」をテーマにデモンストレーションを行う。
信じられない様なトラブルが多いなか
「今出来ることに尽力する」
「お互いを認め合う(多民族だからこその文化)」
という文化に触れて、大抵のことには動じない心を会得する。

2018年
台湾のハンドメイドマーケット「好好手感微笑市集」のオーナーさんにお願いして、日本人の作家を数人連れてマーケットに参加する。
(仕事ではなくて、単に個人的に交流の場を作りたかった)

その数ヶ月後、鬼子母神手創り市に声をかけて、手創り市 at 好好手感微笑市集 を開催する(縁のある人たちを繋いで、もっと交流の場を作りたかった。たしか120ブランドくらいが集まる大きなイベントとなった)

2019年
6月に国分寺、8月に厚木にお店を構える。(製造設備をバージョンアップして国分寺から厚木に移す)

2020年
コロナが蔓延。
落ち着いた頃に海外で活動するためにも
「この先2年でお店の土台をしっかり作ろう」
と覚悟する。

2021年
デパートに「TSUCURITE 」として単独でポップアップ出店させていただくようになる。(こんな小さなお店に声をかけていただけたのは、パンタスティック!!で露出があったから、そしてコロナがあったからに違いない)

2022年
開業10周年。
まだ土台はぐらぐらですが、2年前よりはしっかりした、と信じてる。

こんな感じ。
頂いた運と縁に120%の力で応えようという心意気で、生かされてここまできました。

中国語や英語を話せるんですか?
と聞かれることも多いですが、
行く前はどちらもほぼゼロ。
これだと思ったら、その状態でも飛び込んじゃうんです、私。
勇気というか、図々しさというか、言葉なしでもどうにかできるコミュニケーション能力は一人旅で会得したと信じているというか。

そして今でも中国語はほぼゼロですが、英語は日常会話ならなんとか。
2ヶ月間カナダの現地スタッフたちと同居して英語のみで暮らしたら、そりゃね。
(カナダで日本語が聞きたくなった時は、Netflixで唯一見れた日本語番組テラスハウスを見てました)
本番のデモンストレーションはもともと通訳さんがつく予定でしたが、私の性格を知り尽くしたスタッフに
「ゆい、翻訳いる?(たぶんいらないって言うだろうなと思いつつ聞いてくる)」
なんて聞かれたら、
「いや、いらない。」
と、自分を試したくなるよね。
今は英語を使う機会もなく、すっかり忘れているけど、少し慣らせばまた話せるはず。
そして台湾でも英語が通じる場面が多いし、なにより気心知れた友人達のおかげで問題なし!(友人の話す中国語は、なぜか少し理解できることもある)

お店に関しても、海外での活動についても、
不安はないんですか?
と聞かれることが多々あります。
不安はもちろんあるし、そのせいで人並みに精神不安定になることもあります。
特にお店に関しては、プレッシャーが大きい。

でも、何か問題が起きた時は諦めずに、粘り強く、冷静に、その解決に真摯に取り組める自分を知っているので、
「なんとかなる」
と思っています。
これが自信ってやつなのかな。
もちろん、なんとかなっても上手くいかない場合はありますが、
それは自分の力不足を認識して、パワーアップするためのきっかけになる。
誰かに迷惑をかけてしまったら、それは申し訳ないと謝るけど、恥ずかしいとかそんな事は思いましぇーん。
だって、誰もが通る道だし、お互い様だから。
不安がっていたってなんの解決にもならないんだから、策をねって実行するのみ。

こう書き出してみたら、自分でもビックリしちゃうくらい、可愛げゼロ!
でも一喜一憂しないこの性格は、自営の個人店に向いていると思っています。

そして
「この先どうして行きたいとか、目標はあるんですか?」
と聞かれることも多いのですが、具体的な事は考えていません。長期的な目標を立てるのが苦手なのです。
カナダと台湾でポップアップしたいなとか、
大好きなラジオに出たいなとか(なんの肩書きで出るのか本人もわからない)、
半分冗談で、半分本気な事は考えていますが、
「目の前のお客さんをもっと笑顔にできるモノ(商品だけでなく、機会も含む)を作る」
これだけ考えて日々過ごしていれば、道は自然と繋がっていくという確信みたいなものはあります。


さぁ、7月から出す予定の夏の新作お菓子の準備を進めよっと。