【お店のかたち】

厚木店を外からパシャリ。
窓に映った私の姿の間抜けさったらありゃしない。


お菓子屋TSUCURITEはこれまで
お店、商業施設での催事出店(製造、販売、販売スタッフの手配までやる)、通販、催事参加(商品を送って販売はお任せする)、イベント出店(お菓子と私が現場に行く)、卸売りといろんな形態を経験させていただきました。
どれも違った難しさと楽しさがあります。

経営の上で、お金のことだけを考えたら、
「お店と通販に集中」
が1番いいと思います。中間マージンがかからないので、宣伝費や通販サイト制作費をかけてもリターンは大きいから。

そして私は普段からつくりてを楽しんでくださるお客さんがいるから成り立っていると思うので、
1番大切にすべきなのはそこのお客さんだと思っています。
だから催事やイベントに出る時もお店や通販の受注は出来るだけ休まない方針です。

じゃあなぜ催事やイベントに出るのか。
いろんなプロに会って、いい刺激をもらえるから。
そして一緒にその場を作る人が頑張って頑張って、いい結果が出た時の喜びをシェアできるから。

例えば地方での催事参加について。
製造者である私は場所やお客さんの目的などを想定して、ラインナップと数を考えて製造して発送します。
現地ではスタッフさん達が綺麗に陳列して販売してくれます。
そして企画の方が宣伝をしてくれます。
こんな見せ方があるんだ、こういう見せ方がお客さんの心を掴むんだと学びがあります。
そして毎日送って下さる売上報告を見て、お客さんの傾向(客単価、一度に買う点数)と自分のブランドの売上と商品数を照らし合わせて、追加で納品していきます。(他店舗参加型だと全ブランド売上一覧を送って下さるパターンもあり、そうするとお客さんが何を求めているのか予想しやすくなる。)
そしてお客さんの入りが想定以上で現場の商品数が足りずに空白ができてしまう場合、来て下さるお客さんはガッカリすることになるので、
そういう場合は
「よっしゃ、増産はあたいに任せとけ」
とガムシャラに製造します。
こうして私は現地にはいないけど、催事に関わる皆さんと
「お客さんに楽しんでもらうぞ」
という共通の目的に向かって各々が各々の役割を果たす。
それがいい結果に繋がった時には、なんとも言えない充実感に満たされます。

ちなみにいい結果というのは、たくさんのお客さんがそのイベントで喜んでくれて、結果的に売り上げも上がるという意味です。
お金儲けが悪いことみたいな感覚がある人もいるかも思いますが、売り上げが上がるということは楽しんでくれた人が多いことの証だからね。
(日本の教育ってこうなりがちな気がする。私も3年前くらいまではそう思っていました。)

話が少しそれましたが、多店舗が参加する催事でも、私はその催事に参加する(受け身)というより、一緒にその場を作っているという感覚でいます。生意気でしょ。
だからこそ精一杯やり切るぞという気持ちになるし、何より楽しいです。
欠品がありえない失態だと思うのは、そんな考えからきています。
ちなみに、私がこんな気持ちになれるのは信頼できるイベント主催者さん達とお仕事をできていること、そして彼らが新しいチャレンジを楽しんでいるからに他なりません。
同じ方向を見れる人達、そしてパワーをもらえる人達とする仕事の楽しさったるや!

商業施設での催事出店はまた違った楽しみがあります。
「つくりてがいかにお客さんを楽しませることができるか」
が試される場だから。
わざわざお店に足を運んで下さるお客さまはある程度お店のことや私のことを知った上で来て下さる方が多いので、最初からワクワクして下さる方が多い。
しかしたまたま通りかかったお客さまは初見の方が多いので、その一瞬でワクワクしてもらえるかがポイントになる。
難しいけど、発見も多く、私に欠けている「一般性」を学ぶ機会となる。
また販売のバイトさんをお願いする事で、自分には足りないところを補ってもらえる。
自分が不得意なところに時間と労力を割くより、得意な人に託した方がいい。
そんなことを強く思ったのは商業施設での催事出店でした。

イベント出店はお祭りみたいな感覚です。
代表的なのは私が開業するきっかけとなった手創り市やマルシェ。
当時はマルシェというものが日本で今ほど一般的ではなく、個人や団体がアグレッシブに運営していた事もあり、とても楽しかったです。
その時代のゾクゾク感を味わった身としては、マルシェが一般的になり定型化され、企業運営のものが乱立するようになってきた今、少し物足りなさを感じているところもあります。
何かキラリと光る企画や試みが見えると、ついつい参加したくなるけどね。

というわけで、どれも違った学びがあり、とかく楽しいです。

初めての環境や知らない人の輪に入っていく事が苦手な人にとってはしんどいかもしれないけれど、私は知らない世界に飛び込むのが大好きなので、これからも新しい事にチャレンジして楽しみたいと思っています。
そんな環境にいるためには、自分自身をブラッシュアップしていくことが不可欠だなと感じてる今日この頃。
こうして私は今日もすっぴんで、頭ボサボサで、作業着で、お菓子道を邁進するのであーる。