国分寺マルイ出店が無事に終了しました。
来て下さった皆さん、SNSで見守って下さった皆さん、心よりお礼申し上げます。
出店が決まった時からやると決めていた
「T」ポーズを決めた私の写真をお納めくださいませ。
最終日開店直前に、セルフタイマーで一人で撮った私の心意気、アホでしょ?
この写真を撮ることに執念すら感じるでしょ?
会期中は食欲も眠気も感じないなと思っていましたが、
終了して4日ほど経った頃、マルイ担当者さんから温かいお言葉を頂いてホッとしたのと同時に、緊張感が解けて、どっと疲れが押し寄せております。
眠くて眠くて仕方ない現在。
あー、眠い。
終了後には常連さんがお店に来て下さって
「お疲れ様。大変だったでしょう」
と声をかけていただき、心温まりました。
ありがとう、とにかく楽しかった。
とはいえ、今だから言いますが、
6月末頃〜始まるまでのプレッシャーが凄まじかったよーーーー!
しんどかったよーーーー!
言っておくと、マルイさんからプレッシャーをかけられたわけではありません。
こんな小さな個人店に声かけてくれて感謝。
契約を進める中で、私が法人ではなく個人事業主ゆえイレギュラーなご対応をさせてしまったりで、
「TSUCURITEがこんな大層な場所に立っていいんだろうか。」
なんて思う瞬間が何度もありました。
でもね、だからこそマルイさんにもプラスになるような(売上だけじゃなくて)、お客さんが楽しいと思える空間(一つの世界)を作るんだと覚悟を固めました、そしてプレッシャーがぁ。
自分で自分を追い込んだ形ですな。
お客さんに楽しんでもらえる空間(お菓子、什器など全部ひっくるめて)を作る
→マルイさんのイメージにプラスに働く&売上が上がる
→みんなハッピー
と復唱しながら、深呼吸をしてすごしていました。
什器は自作しました。
「マルイさんの、その一角に一つの街を作る」
くらいの意気込みで挑みました。
やっぱり什器や衣装一つで雰囲気は大きく変わるし、世界観をつくるのに必須。
体裁は「デパート」のもつきっちり感を保ちつつ、クラフト感は残すこと。
もう「ものを売る」という時代は終わったからね。
ちなみに私は大学の建築学科の入試の小論文で
「みた人が感動して元気になれる空間を作りたい」
と書いたのですが、
それは畑違いのお菓子屋のお店作りでも、催事出店でもずっと気持ちは同じです。
そのイメージ図をポンと上げるのは渉の担当、それを現実的にどう作るか(持ち運びも含め)を考えて実際に作るのが私の担当。
什器は折り畳んで持ち運べるような設計です。
(ギリギリまで私は大きな2mのフレーム立方体を作ろうと企み、流石にやりすぎだと断念)
ちなみにユニフォームは母と私の担当。
「アーバンな一反木綿」
がテーマ、というより、いろんな体型の人が着られて、清潔感のあるデザインにしました。
そして国分寺のお野菜「こくベジ」も積極的に使いました。
国分寺で暮らす人で知らない人はいないであろうこくベジ。
お店でも普段からこくベジは使っているのですが、今回は国分寺という場所がもつ魅力を存分に使わせてもらって、空間作りをしようという考えでした。
細やかながら、こくベジのアピールに役立てたかな?
こくベジの運営の皆さんも店頭にたくさん来てくださり感謝です。
これからもどうぞよろしく。
そして、本音をいうと、目標金額を達成できるかがヒジョーに不安でした。
提示された目標金額を達成できるのか否か、初めてのことなので全然わからない。
しかしそれ以上のお菓子のストックがないと達成できるものも達成できなくなるので、
8月は酷暑の中ひたすらお菓子を作りながら
「こんなに作って、日の目をあびるんだろうか」
と、不安な気持ちとの戦いに明け暮れていました。
バックヤードに高く積まれていたストックを見るたびにそんな気持ちに駆られていたなぁ。
(皆さんのおかげで、結果的に達成できたのでご安心を!)
そして今回、私が強く感じたことが4つ。
1つ目、
「意外と私、孤独だったんだ」
ということ。
今回私は友人3人に販売のお手伝いをお願いしました。
この3人はつくりてお菓子を幾度となく食べてくれている「つくりて愛」があるみんな。
引き受けてくれてありがたいね、お菓子も喜んでるよ。
しかもみんな販売業や接客業に携わっているので、安心して託せました。
プラス、デパートに来るお客さんの事を知りたかったので、私も現場に立って合計4人。
商品作りに必要なデータを集められる絶好のチャンスなので
「なんでこれを選んでくださったんですか?」
「ご自宅でおやつですか?」
などと質問して答えて下さった皆さん、ありがとう。
ちょっと話はずれましたが、彼女たちの存在がとても頼もしくて、ほっとしている自分がいました。
これまでも母やチャリカさん、渉にお手伝いしてもらいまくっているのですが、
今回の自分の安堵具合には驚くの巻。
たぶん、これまで感じてはいなかったけれど、結構孤独だったんだろうな私。
しかも3人とも真剣に自分ごととして考えてくれて、
「こうしたらお客さんが見やすい」
「この作業はこうやったほうがいい」
などアイデアを出し合って、言うなれば私より真剣に現場のことを考えてくれていました。
こんな仲間がいることが財産だなぁとしみじみ感じた1週間でした。
2つ目、「ちょうどいいもの」を提供できていないこと。
商品に関して、お客さんがどういうシチュエーションでどう使っているのかの想定ができていないことを痛感しました。
食べ物や飲み物を製造販売する身として、
「美味しい」
は大前提。
そして個人店の身として、
「材料にこだわる」
のも大前提。
この2つはクリアして当然なので、あえて主張すべきことではないと思っています。
その次に必要なのは
「お客さんの困りごとを解決する商品を提供すること」
例えばお菓子は手土産や贈答品にも使われる機会が多くて、
その時に
「これならちょうどいい」
という商品を提供することが大切。
ちょっとした集まりに持って行くのにちょうどいい、
ご年配の方もいるご家族に差し上げるのにちょうどいい、
小さな子が何人もいる家に遊びにいくのにちょうどいい、
などなど想定されるシチュエーションに対して、適切な回答が出せていないなと。
お菓子の内容はもちろん、体裁も、お値段も。
これはこの2年くらい私が模索している問題です。
例えば誰かに差し上げる時、いくらこだわりの食材を使って手間をかけていても、あげた人にそれが伝わらなければ意味がない。
ものすごく単純なことで言うと、
「この見た目で、こんな値段がするの?」
という商品は贈った人も贈られた人も残念な気持ちになる。
贈る側は気持ちを伝えたいのに伝わらないし、
贈られた側は自分を大切にしてもらえていないという悲しい気持ちになるから。
材料にこだわると原価も高くなるのですが、
「作り手も買い手も無理のない、ちょうどいい塩梅の商品」
は必ずあると思っています。
そんな頭で大手メーカーの商品を見ると勉強になるよねぇ。
3つ目、「自分の不得意分野は得意な人に託そう」
たとえば、私は出来上がりイメージを最初にポンと掲げることができない。
手を動かしながら、徐々に徐々に正解を見つけて行くタイプ。
でも今回の什器のように、最初に出来上がりイメージを作った方がいいパターンもある。
そこはそれが得意な渉を信頼して託そう。
あとは私は魅力的に見える陳列が苦手。
今回はお手伝いの3人が陳列がとても素敵に仕上げてくれた。
厚木店は渉がやってくれています。
人生の中の「陳列」を見たり考えたりしてきた回数にもよると思いますが、
得意な人がいるなら、信頼して託そう。
最後にユニフォームの細かい縫製は母に託しました。
大雑把なところは私がガーッと塗って、細かいところは母。
これも得意な人がいるなら、信頼して託そう。
私がお支払いしている時給以上の、素晴らしい仕事ぶりを目の当たりにして、
「催事が終わったら、1日でも早くお支払いしたい」
と思ったのは言うまでもありません。
一般的にお店を経営する上で人件費の占める割合は低くはないけれど、
有意義な投資だなと改めて思いました。
そして4つ目、やっぱり人だね、ということ。
国分寺マルイの担当者さんたちがとても親切で、親身になってくれて、とても心強かったです。
TSUCURITE単独初出店が国分寺マルイでよかった!
私は担当者さんたちに完全に心を開きましたよ。
周りでデパート催事に参加している人からあまりいい話を聞かされてこなかったのですが、
やっぱりその人次第だよね。
また私ったら素敵な人たちとお仕事ができて幸せだなぁ、
人が好きだなぁと。
終わって1週間弱、今の気持ちや気づきはこんなところ。
またマルイさんに立たせて頂ける機会があれば、今より進化した姿を見せるのさ。
もう宣言してちゃったもんねー。
というわけで、これからのTSUCURITEにとって大きな財産となる経験をさせていただきました。
次は11月半ば、都内の某百貨店にお邪魔する予定です。
これまで縁もゆかりもない地でボッコボコに打ちのめされる可能性もなきにしもあらずですが、
それはそれでいい経験になることは間違いない!
その時は今回できなかった「命ポーズ(ゴルゴ松本)」を決めようと思います。
げっそりぺっそりするんだけど、新たなチャレンジって、これだからやめられないね。