【思い込み】

写真はある日の厚木店の店頭の様子。
最近のデイリー商品はタルト2種、ブリオッシュ3種、その他3〜4種程度を並べています。
ホワイトデーも終わり、春のラインナップに切り替わっていきます。
いちごはもちろん、自家製のレモンコンフィチュール、ゆずコンフィチュールなども寝かせていい感じに仕上がったので、続々と出しています。

今日は「最近、強く心に刻んだこと」について書こうと思います。
国分寺店と厚木店ともに、2回目の春。
店舗を構えない催事のみの営業スタイル時代を含めると、8回目の春?9回目の春?
だいたいそんなところです。

お客さんの比率は7対3くらいで女性の方が多め。
街のお菓子屋としては、男性比率は高めです。
催事のみの時代もそうだったのは、私が話をするときに性別を意識していないせい?私が性別不明に見えてる?
真相は謎ですが、男女問わず一人でふらっといらして、お仕事のお話や子育てのお話など
自分の知り得ない世界のプロの話ってとても興味深いので、ついついお客さんのお話を深堀してしまいます。

さすがに2店舗構えてからは、
「この人はお菓子屋を生業にしているんだ」
ということが自然と伝わることが多いので楽ちんですが、お店を構える前(催事のみの時代)は
「普段は何のお仕事をされているんですか?」
と聞かれることも多く、その時は
「私、これ一本で真剣にやってるんだけどなぁ。」
なんてモヤモヤしていた時期もありました。
自分の心意気と他人からの見え方のギャップが苦しかった。
今となってみれば、
「生業としてやるための覚悟が伝わる商品でなかった」
ということが原因なんだとわかるけれど、その渦中にいたときには気づけませんでした。
商品そのもの然り、設備や備品などに投資して、事業として成立させようという心意気が垣間見れなかったということ。
自分が作りたいものが優先で、お客さん視点に立てていなかったということ。

今はそのモヤモヤからは完全に抜け出していますが、
先日のオリンピック関連の女性蔑視ともとれる発言の一件を見ていて、そんなことをふと思い出しました。
「本人は全く悪気はなくて、単純に感覚的にわからないんだろうな」
と。
第二次世界大戦の時、戦地へ送られたのは男性だし、
今と30年前では女性の社会進出数は違うし、
頭で「ジェンダーレス」という言葉を理解はできても、無意識レベルで染み付いた考えを根っこから変えられていないというか。
もちろん時代に合わせて自分を変えていくことは大事だし、これからの時代ではそうあるべきだとは思うのですが、
何十年も培ってきた無意識の感覚がポロッと顔を出してしまったんだろうなと。

そう思ったら、
一般的な「お菓子屋」はお店を構えて、毎日営業をするものだという感覚で見ると、催事のみの営業スタイルだと
「この人は普段違う仕事をしているんだろう」
と思うのは自然。
今の金土日営業のスタイルでさえも、そう思うのが自然なのかもしれないなと。

私自身は先日、知り合いの女性のお話を聞いていて、
「パートナー」
と聞いたときに、そのパートナーは男性だと無意識に思い込んでいたことを反省しました。
もちろん私には全く悪気がないけれど、もしそれを相手に伝えていたら、受け止め方によっては傷つけてしまったかもしれない。
思い込んだ自分にがっかり、そして反省しました。


あのオリンピック関連のあの失言の1件は間違いなく波紋を呼び、これから日本全体が少しづつ変わっていくきっかけとなるのかな。
私個人としては無意識レベルのカテゴライズや推測で相手を傷つけないように気をつけようと心に深く刻みましたとさ。