【TSUCURITE というコンテンツ】

2023年パンタスティック!!が始まりました。
錦糸町、そして浦和。
少しブレイクを挟んで巡業はまだまだ続きます。
写真は浦和の時に出した新作。
あんこスコーン うぐいすココア。
あんこスコーン自体はもう数年前から出していて、その派生版。
主催者さんとの雑談の中でいただいたアドバイスを元に作ったお菓子です。
全く違う立場のプロから見た意見は商品作りの大きなヒントとなり、
それはお店での商品作りにもフィードバックできます。
やっぱりプロの力だね、ありがたいですな。

パンタスティック!!はつくりてが店舗を構える前から参加している催事。
初めての商業施設での催事はパンタスティック!!でした。
つくりてのお菓子が「商品」として並んでいる景色が不思議に見えたのを覚えています。
今、あの頃の商品を見ると完成度の低さにげんなりするわけですが、それを生暖かく見守ってくれたお客さんたち、主催者運営者さんたちに感謝です。




お店を構えると決めて不安でたまらなかった時、
お店を構えたはいいものの右も左もわからずもがいていた時、
うまくいっている時もうまくいっていない時も
各会場に足を運ぶと、
「前回ここで開催した時の私、あんな感じだったなぁ」
と、つくりての軌跡が頭に浮かびます。
初心忘れるべからず、というのは簡単だけど、
私は定期的に現場に足を運んで自分の目で見て思い出さないと初心を忘れてしまう弱い自分を知っています。
行ける範囲での開催の場合は足を運んで、お客さんの様子を拝見して、スタッフさん達と話をして、
「お客さんに喜んでもらえる商品作りを頑張るぞ」
と気持ちを新たにします。




ちなみに、各会場に行くと私は他店のお菓子以上にお客さんの動きを観察します。
目の動きや、かごに何個くらい入れているのか、どういう買い方をしているのかなどじっくり観察。
前回の浦和の会場へ行った時はつくりてのお菓子を手に取っている方がいらしたので話しかけたらドン引きされました。
そりゃそうだよねと思うわけですが、
何が魅力的に見えたのか、ヒントをいただきたかったし、お礼を言いたかったのです。
びっくりさせてごめんちゃい。



お店を開けて、通販を送って、たまにPOPUPさせていただいて。
それだけだと
「つくりては私のもの」
という感覚に陥ってしまいかねないと危惧しています。
もちろんそういう考え方で進めていくのもアリです。
それで自分の事業規模を大きくして稼ぐぞとか、見返してやるとか、有名になるぞとか、のし上がってみせるぞとか、そういうモチベーションがある人には合うやり方だと思います。
ただ、私は良くも悪くも周りはどうでもいいので、そのモチベーションはありません。
そこを無理に変える必要もないとも思っています。
あたい、頑固なのでね。
それより一つ一つ納得して大事に進めていきたいという気持ち、前の自分より成長したいという気持ち、そして何より、TSUCURITEを通して笑い合いたいという思いが強いです。
私は
「お菓子は人と人を繋ぐコミュニケーションツールだ」
と言い続けていますが、
TSUCURITE というコンテンツ自体がそうでありたい。
家族、お客さん、友人達、仕事仲間、そして私がいて初めて「TSUCURITE」。
もちろんいろんな責任を負うのは私ですが、
「つくりてさん」
なんとなく別人格みたいな感覚です。



「つくりてさん」を外に連れ出したらどうなるんだろう、面白い反応があるかもしれないと思っているのも、外に出て行く理由の一つです。
いろんな方に可愛がってもらって、ヒントをいただいている、つくりてさん。

今回の錦糸町と浦和では前回よりもたくさんの方につくりてのお菓子を手に取っていただくことができました。
人生初のパンタスティック!!と比較したら、うん十倍の製造販売数。
ローン組んで厚木店建てて、商品設計も徐々に変えて、ミキサーやビッグオーブンなど機械の導入もしてなかったから今はないな、なんて思うと感慨深く、開業11年でちょっとづつ、ほんのちょっとづつだけど前に進んでいると実感できて嬉しいです。
もちろん周りにいてくれる皆さんが、この11年で築くことができた何よりの財産です。
TSUCURITEをやっていなかったら出会えなかった人たちとくっだらない話をしたり、
お菓子を通して笑い合ったり、
そんな毎日は私にとって豊かな日々です。


成長欲は人一倍。
課題は常に山積み。
私は一生こんな感じなんだろうな。