【大切なのは根っこの部分】

パウダー状にしたナッツたちを並べてみる。
色も、しっとり具合も、粒度も違うなと改めて確認。

少し時間ができて、目の前の領収証の山にげんなりしております。
経理関係を整理しないと、そしてお掃除もしたい!
なんなら夏お菓子の試作もすごくしたい!
そんな気持ちが溢れております。

今日は少し振り返りのお話。


この10年間、結構いろんな催事やイベント、卸などを経験させていただきました。
正直なところ、心地よいモノと心地よくないモノがありました。
直感的なものなのでうまく言葉で表現できないけれど、
「このイベントは無理してでも頑張るぞ」
と思える時と
「次はやめとこうかな」
と思う時がありました。

なにがそれを分けているんだろうと、私を1番近くで見ている渉に聞いてみたら
その主催者の第一目的が己の利益がどうか、なんじゃない?
と。


もちろん売上を上げることは大切だし、それはつまりお客さんが喜んでもらえたかの指標なのだけど、
運営さん側もお客さんの利益になるであろう事(喜ばせたいという気持ちからくる行動)に尽力する姿を見ると、私はグッと心を掴まれる。

ズバリ言うと、私は数字しか見ていない人と一緒に仕事してもつまらないようです。
また、自己顕示欲が第一目的の人も。
「こんなイベントを企画立案運営してるアタシ、イカしてるでしょ」
とか
「こんな場所で売れるのは、吾輩のおかげだぞぉ」
みたいな。
もちろんこんなことを口にする大人はいませんが、
それが会話や対応の中で垣間見れてしまうと、私の気持ちは一気に離れてしまいます。
お客さん、製造者、イベント主催者、場所の提供者(商業施設など)はみんな対等なはずなのになぁって。(主催者が場所の提供者の機嫌を取ろうとする構図もよく見かけるけど悲しくなる。)
それは私だけが感じているわけじゃなくて、もちろんお客さんにも漏れ伝わっている。
人間の「その場の空気を感じる力」って誰にでも備わっているもんですな。

具体的な例を挙げると、
弊店を見つけてくれた国分寺丸井の裕子さんは、会社として数字目標は立てるけれど、つくりての商品の見せ方、チームつくりてのみんなの事、その制服が手作りなんですね、みたいなところに興味を持ってくれる方。
「小柄な体でこんなに素晴らしいものを、こんなにたくさん作っておられて尊敬しています」
なんて仰って下さり、それが上っ面の言葉じゃないことは伝わってきます。
私から見たら、組織の中でいろんな人間関係の煩わしさや理不尽さを感じながら、私みたいな礼儀もままならない人の相手もして、良い空間を作ろうと尽力できる裕子さんすごいなぁ、良い人と出会えたなぁとしみじみと思っています。(しかも私より小柄な体で!)
こんな方に声をかけて頂いたのならば、私は全力で挑むし、今後も何か力になれる事があれば何なりとやろうと思うよね。
国分寺丸井さんはスタッフの皆さんが気さくで、真面目で、とても心地よく仕事ができる環境です。
ありがたやありがたや。

パンタスティック!!に関してもそう。
主催者じんそんは
“ 生活にまつわるものをセレクトする楽しさ ”
をお客さんに感じてもらえるよう、イベントを構成しています。
だから扱う商品はパンだけじゃなくて、いわゆるパンフェスとは一線を画すコンテンツがしっかりと出来上がっている。
毎回、新たなチャレンジがなされているのもポイント。
例え失敗したとしても、それは次回に活かせるから、何もチャレンジしないより200パーセント良いのである!
主催者の思いがこういうところに滲みでてくるんだな。
そして主催として、企画、空間作り、集客、運営という役割をしっかりと全うしておられる。
それが役割なんだから当たり前でしょと言われてしまうかもしれないけれど、
これをしっかりできている催事主催者はなかなかいないと思う。
少なくとも、私は彼以外みたことがない。
もちろん周りのスタッフの皆さんの力もあるわけですが、そんな人が集まってくる(集められる)のが人望というもの。
加えてどんなタスクを振ったら私が生き生きと出来るか、どうマッチングできるかを考えてくれていた事は私にばれている。
だから私はいつも全力で挑むし、力になれる事があれば全力でやろうというモードになれる。
本気モードになれる場が与えられるって幸せです。

そして、厚木のICHIGO MARCHEもそう。
厚木の良さを伝えようというコンセプトでいちご農園の厚木農園さんと設計会社の日比野設計さんが主催運営されているマルシェ。
まだまだ始まったばかりなのでもちろん伸び代はありありですが、
その心意気が伝わってくるので心をグッと掴まれます。
そして個人的には空間作りを丁寧に考えておられる姿勢に心打たれるんだな。
物売りじゃなくて、その空間や体験込みでお客さんに喜んでもらいたいという思いが溢れています。
私みたいな極小お菓子屋に声をかけてくれたなら、厚木にお店を構える事業者として、そりゃできる限りのことはやりまっせという気持ちになります。
イベント運営のプロじゃないからこそできる、地域のみんなで作り上げていくマルシェは長く地域の人に愛されるものになると思う。

しかし世の中、こんな心意気を持った人は多くないという現実も理解しています。
私はラッキー、間違いない。

冒頭にも書きましたが、もちろん売り上げも大切で、そこから目を背けては成り立たない。
売り上げは大事な指標の一つではあるけど、あくまで
「お客さんを楽しませることができた結果」
として付いてくるもの。
目の前のお客さんに喜んでもらえたら自動的に売り上げは上がる。
お客さん、製造者、イベント主催者、場所の提供者、みんなが嬉しい結果につながる。
そういう根っこの部分が共有できる人と一緒に仕事できると楽しいよね。


一方で、それを毎日自分に言い聞かせていないと、社会の波に飲み込まれそうになるのも事実。
だって、税金だの、保険料だの、ガッサガッサでてくんだもーん。
資本主義の荒波って、結構高いわぁ。

お客さんに楽しんでもらうこと、が第一。
それを念仏のように毎日唱えております。