写真は昨年4月のもの。
店舗併設住宅の模型です。(この案とは全然違うものに落ち着きました)
のりつんが必死に匂いを嗅いでいます。
この写真を撮った後、なぜかのりつんがバックドロップで模型を壊し、
「のりつーん!」
と渉が嘆いたのは1年近く前かと思うと、月日の経つスピードの速さに驚きます。
計画が始まったのは昨年春でした。
12月には渉が常滑を離れることが決まり、
「東京に帰って、どこに住もう?」
と話し合った結果、家を建てるのが一番だろうという結論に至りました。
前から渉は
「自分たちの場所を据えたい。」
という気持ちが強くありました。
そして故郷愛が強い。
一方で私は、幼い頃から実家も移動しているし、場所にこだわりがない。
故郷愛といえば、16年間毎日のった京王線愛くらい。
その他にもお互いの家の事情をいろいろと考えた結果、
「渉の故郷に家を建てよう。」
という結論に達しました。
そして同時に渉が言い出したのは
「TSUCURITEのお店を作ろう。」
ということでした。
本音を言うと、私は
「自由に動きたいからお店は持ちたくない。」
と強く思っていました。
海外で活動したいし、何か新しいことをしたくなった時の足かせになるし、何よりお店を持つと自由さがなくなると思っていたから。
ただ客観的に見て、
年を重ねるにつれてイベント出店は体力的に厳しくなるだろう、ということもわかっています。
実際に近年は、
「イベントや催事出店のみの営業スタイルの限界」
をひしひしと感じていたのも事実です。
例えば、誰かと何かをやりたいと思った時に場所がないし、
どこか場所を借りるとしても設備や器具類が揃っているところはあまりないし、持っていくには大変。
そして場所のレンタル料金も安くはないから、気軽に企画できるものではない。
自分で自由に使える場所があったらいいのにと思うこともありました。
ただ、お店を背負って一人で頑張れる自信はないし、リスクが大きいのも十二分にわかっている。
なぜなら私のように店舗なしのお菓子屋さんが店舗を持ってしばらくして閉店する、という光景はたくさん見てきたから。
即決派の私が珍しく悩み、悩みました。
しかし最終的には
「現状維持ではなく、次のステージに進もう。」
という結論に至りました。
お店を持っても、自由に動けるかは自分次第で決まる。
だとしたら、お店があった方ができることが増えるし、お客さんや仲間ともっと楽しい時間をシェアできるはず。
そして何より私の周りにはサポートしてくれる仲間がたくさんいる。
店舗運営を専門とする友人も親身になって考えてくれるし、
家族や友人たちやお客さんも応援してくれるし、
何より中堅の菓子メーカーのコンサルをやっている渉が一番近くにいる。
そんな葛藤をしていた1年前の私。
今でも、
「大丈夫だろうか。」
と不安に思ったり、プレッシャーに押しつぶされそうな時もありますが、
自分を信じるしかない!
先の心配もいいけれど、今を生きないとね。