ある日の午後、相棒か気分転換に出かけようと言いだしました。
じゃあ西尾に行って抹茶を食して来ようと提案して出発。
抹茶といえば、宇治の次に西尾が有名。
とりあえず道の駅に行き、気分転換になったし何か抹茶スイーツでも食べて帰ろうかとそこにあったパンフレットを見るもパッとせず。
そこで私がGooglemapで偶然見つけた旧近衛邸という場所へ行ってみました。
連休中でしたが夕方だったので空いていました。
旧近衛邸ではお抹茶と和菓子をいただけるのですが、受付時間が16時。
この時はすでに16:30。
御年配のスタッフさんに
「お抹茶のご用意はできないんですが、見学だけでよければどうぞ。」
と言われて、中を見せてもらっていました。
竹の筒から雫がポタポタとたれて、水のたまったところへ落ちています。
水琴窟みたいな荘厳な音ではないけれど、凛とする音が響きます。
目の前には石庭。
茶室もあり、
にじり口からはお庭が見えます。
素敵だと話していたら、スタッフの方が
「2人分のお湯ならあるので、よろしかったら。」
とな!
「ぜひ!」
とお願いして出て来たのがこちら。
藤の薯蕷饅頭とお抹茶。
お菓子の説明、そしてお抹茶の飲み方も丁寧にご説明いただきました。
お抹茶は苦味がなくてとてもまろやかで香りが高く、お饅頭は甘さ控えめで皮が中のあんこと一体になって美味。
何より静かにこの景色を見ながら食べる時間の贅沢さったらありゃしない!
私も気に入ったけれど、私以上に感銘をうけたのがこちらの方。
いたく気に入ったらしい。
お庭も建物も、窓や木々などがなんとなくではなくて、それぞれ個性が活かされる様に配置されている印象を受けました。
あざとさを感じさせないギリギリのラインの操作という感じ。
この建物を後にして、園内を見ていたら
「また来てくださいねー。」
と声をかけられました。
誰だろうと思ったら、さっきお給仕してくれたおばさま達!
私服に着替えてお帰りの途中だったようです。
そこから家に一旦帰って猫たちにご飯をあげて、珍しく晩御飯を食べに行きました。
La Piantaさん。
築80年の米蔵を改装したイタリアンレストランで、地元のお野菜を使ったお料理が並びます。
写真は前菜の盛り合わせ。
お店が立ち並ぶエリアからは外れた立地にもかかわらず、ファミリーのお客さんで賑わっていました。
お料理はもちろん、お店の雰囲気、そしてスタッフの方のナチュラルな接客がとても心地よいお店です。
夜のコースが1800円からというリーズナブルなお値段とは思えない満足度でした。
食べ物だけではなくて、食べる環境も味のうちだなと再確認しました。
都会だと、スタッフとお客さんの間には大きな壁があります。
スタッフは教育を受けて、マニュアルを習い、チェーン店以外の個人店も含めて全体的なサービスレベルは高い。
一方で均質化された、人間らしさを感じられないサービスも多い。
都会とはいえない場所では、スタッフとお客さんの間の壁は低い。
スタッフといえどナチュラルな接客が多く、その裏を返せば当たり外れが大きい。
今回みたいに最高に心地よい時間を過ごせることもあれば、その逆も然り。
常滑は外食文化がないらしく、昔ながらの喫茶店やチェーン店、中華料理屋さんはあれど、こういう個人経営の小洒落たお店は少ない様子。
相棒曰く、
「あなたはいい場所を見つけるよね。」
と。
この嗅覚を発揮して、美味しいお店や面白い場所を見つけていくぞー。