【台湾の子供たちとお菓子を作ろう】

11月、私は台湾へ行って何をしたのか。
まずは今回の台湾旅のミッション1つ目、
『トークイベントを開いてそこで頂いたお金を使って、低所得層家庭の子供達が集まる施設で一緒にパフェつくろうぜの会を開くこと。』


そもそもは日本で
「低所得者層や身寄りのない子供達とお菓子作りをやりたい」
と思っていました。
お菓子の寄付はいくつかの団体にしてきましたが、もう一歩踏み込んだことをしたい。
ただOKを出してくれる施設がありませんでした。
悲しいかな、私からしたら理解に苦しむリスクを懸念して断られてしまう。(日本はこの分野について理解が乏しいのか?)。
詳細はあえて書きませんが、要は前例がない提案は通りにくいということのようです。


また、例え施設を借りることができたとしても、こういう活動を継続したいと考えた時に1人でやるのはしんどい。
企画して、場所を探して、協力者を探して、材料買って、現場運営もやって。
そして個人的にはオシャレにすることも大事だと思っています。
あとで
「え?これ福祉活動の一環なの?」
と気付くくらいがちょうどよくて、
「ザ福祉です」
みたいな見せ方は過去のマイナスなイメージを引きずってしまうから。



そうなるといくら小規模にやるとしても施設費、材料費、運営スタッフ費、デザイン費などの負担もチリも積もれば山となります。
続けていくには、全てをボランティアでやろうとするのは非現実的。
また私はお菓子屋を生業としていて、毎日12時間以上作業しているような暮らし方をしているので、使える時間にも限りがあります。
そのため私は自分の得意分野に力を注げる仕組みの中に身を投じるのが1番効率的に自分の力を活かせると考え、
私が未経験の現場運営を託せるところ、仕組みが作りやすいところへ行こうと決めました。


まずは2023年のうちに1回やりたいなぁと考えていて、ちょうど台湾行きの日程が決まった頃だったため、これは台湾でやるのもありだなとネットで調べてみました。
すると、母体が慈善事業で、イベントなども開催している台北のカフェを見つけました。
こういうところを見つけ出す私の引きの強さよ!
ここだと直感が働きました。
ここで私が何かイベントを開いて頂いたお金を材料費に充てたら、子供達とお菓子作りができる仕組みができそうだとイメージが沸きました。
余ったお金はそのまま施設運営費に回してもらえればいい。


いつも台湾での活動を共にしてくれているなっちゃんに連絡をして、なっちゃんがそのカフェを見に行ってくれたら、なっちゃんの後輩がそこでシェフをやっていて、もうこれは運命確定。
しかも店長Zacと話したら、とても心優しい方だったと。
とんとん拍子にうまく行く時はGoの合図です。


トークイベント自体は正直、やりたかったわけではないのですが、このシステムを作れたら、私自身も続けやすいし他の人も追随しやすい。
福祉活動をしたいけどそこまで時間を割いて考える余裕はないという人は多いと思うので、ならば未踏の地を草刈りして、道を切り開くことはできると思ったためここで開催することにしました。
恐れず飛び込んでいくのは私の持ち味。
そして通訳なしで英語で2時間話した&質疑応答もこなしたカナダでの経験を思い出したら
「今回なんて中国語通訳のなっちゃんがいるなんて、もう何の心配もないわ。」
という境地なのです。
マヒって怖いね。
マヒって人を強くするね。

私からトークの内容、子供達と何をするかの内容について数案だしたら、カフェの店長Zacがサクッとスケジュール、使える器具類などを出してくれました。
私となっちゃんはスピーディーに進めていくタイプなのですが、Zacも同じタイプだったようでとてもやりやすかった!


ちなみにカフェがこちら。
書屋花甲x而立書店

ちょうど私のイベントのポスターも貼ってありますな。
入口には自販機があり、誰でもそこに入っているパンを2個まで持ち帰ることができます。
大学が近い場所なので、学生さんにも優しい仕組み。


また店内で食べられるメニューには市場に出せない規格外野菜や果物も使用しています。

美味しそうでしょう。
そうです、美味しいんです。


お菓子作りを行なった施設はまた別の場所、高齢者や貧困層が多い地域にあり、フィットネスジム(健康状態をカードに登録して無理なく個人に合わせたメニューが選べるというハイテク仕様!)や図書館、食事をするスペースもある。
お食事は10元払えば食べられます。
無料でもいいのですが、
「少しでもお金を支払うことで利用者が『お代を払った』と思えるようにして心の負担を軽く、利用しやすいようにしている」
との事。
相手と対等な関係を築こうという姿勢、大事だよね。


トークイベント自体は、「自分の居場所の見つけ方」という内容で話しました。



(普段ばきのサンダルにショッキングピンクの靴下履いてるのこんなに目立ってたのか。。。)
ブログでも何回も書いていますが、私は

建築学科卒→大学院中退→総務秘書→ベーグルカフェ勤務→お菓子屋経営
と回り道くーねくねで今に至ります。
お店のお客さんから人生相談をされることも多く、この話をしたら何か役立つのではと思って話をしました。


正直なところ、2023年は最初から最後まで睡眠時間5時間以外は仕事に打ち込んでいたので、
このイベントの準備をしたいのにする時間がなくて本当にきつかった。
しかしやると決めてたからには何かしらの形にするんだと、
台湾へいく2週間前くらいからは睡眠時間を削って準備に充てていました。


結果、自己評価としては20点くらいの出来でした。
そりゃ圧倒的に準備が足りていないから納得の結果。
ただ何事も最初からうまくいくわけなんてないし、草刈り隊長としての任務は果たせたのでよしと思っています。
次は50点はいける自信があるからよし!

こちらはド緊張するなっちゃん。


どうにかなるから大丈夫よーという私と、不安がる彼女。
彼女が心配がるから私は対照的に落ち着くのか、
私が妙に落ち着いているから彼女が心配になるのかはわかりませんが、
我らはいつもこんなバランスです。

そしてパフェ作りは、規格外の果物、お野菜、私が作っていったブラウニー、グラノーラ、あとは用意してもらった生クリーム、豆乳アイス。

(真ん中の小さいバナナ、日本にはないネットリとした品種。私がつまみ食いしたのがバレる写真)


切る役、炒める役、泡立てる役など分けて作業をしていきました。
(写真左手前が店長Zac、左奥がスタッフKaren)


今回は小学生と中学生。みんな食べる用、持ち帰る用と作っていました。


彼らの笑顔を見られて、私は幸せ。
ありがたい。


食べ物って人のコミュニケーションの潤滑油。
特に甘いものは老若男女問わず笑顔になる。
今回やってみて、やっぱり
「お菓子はコミュニケーションツールだ」
と再確認できました。

今回はZac、スタッフKarenのご尽力のおかげで滞りなく出来ました。
次回は私自身がパワーアップすることはもちろん
「彼らと一緒に作っていく。」
という姿勢で進めていきたいと思います。
その次のステップも頭の中にはあるもんね。
台湾の相棒なっちゃん、一緒に楽しんでちょうだいね。
(次回のこと考えよう、楽しみだ。)


最後に、このような活動をできるのは全てつくりてを利用してくださる皆さん、催事でつくりてのお菓子を販売、購入してくださる皆さん、いつも一緒に楽しんでくれるなっちゃん、そして家族や仲間のおかげです。
皆さんのおかげで笑顔になってる子達が海の向こうにいるよー!
私は
「これなら私でもできるかも。いくぞー!」
と飛び込んでいくだけ。
本心でそう思っています。

自分の特性をよく理解して、どう社会に貢献していけるか、どう日々を豊かにしていくか。
お菓子屋つくりてとして、會田由衣として、しっかり考えていきたいと思っています。

最後におまけ。


こんな真面目なこと書いていますが、普段の私はこんな感じです。

すっとんきょうな顔、得意なのよね。