【好好マーケットのこと】


(写真は好好手感微笑市集より)

台湾遠征から帰ってきて2ヶ月。
自分の中に混沌としていたものをやっと整理できたので、台湾のマーケットのことを報告します。
(今日は長いので、読んでくださる方は覚悟のほどを)


コロナで中断しましたが、台湾での活動を再開しました。
最近知ってくださった方は
「こいつ、そんなことやってたんだ!」
と思うかもしれませんが、


1年目:マーケットに出たくて1人で台湾へ
2年目:台北でワークショップ開催+マーケット参加
3年目:台北の友人のお店でイベント+マーケット参加
4年目:台湾&カナダのイベントに参加@カナダ(2ヶ月ほど滞在)
5年目:身近な友人達を誘って10組ちょっとで台湾の好好マーケットに参加
6年目:日本人作家60組+台湾の作家100組で、好好マーケットを開催

→コロナの間につくりて実店舗×2を構えて、デパートにもでて、法人化して

2023年:日本人作家70組集めて、台湾人作家と合わせて300組規模の好好マーケット開催+低所得者家庭の子供達とパフェ作り


こんなかんじ。
文章にすると
「よくやるね、この人」
という感じですな。


今日は今回の渡台のミッション2つ目、マーケットの運営について書きます。
(ミッション1つ目についてはこちら。)


今回は日本から70ブランドほど、台湾側と合わせて総勢300ブランドほどが集うという過去最大規模の開催となりました。(上の写真は日本人参加者の記念撮影)
今回は私がずっとお世話になっているパンタスティック!!じんそんに
「トゥギャザーしない?」
と声をかけて、参加者のリーシングでお手伝いいただきました。
テリトリー外に行くのは腰が重かったろうに、ありがとう、感謝感謝です。


(上の写真は左からなっちゃん、Rui、じんそん、由衣)
私は出展者ではなく、完全に運営側です。
もう自分が出店する楽しさは存分に味わったし、
「言葉なしでも自分で作ったものを通してコミュニケーションがとれる楽しさ」
をシェアしたいという気持ちで動いているから。


今回の企画は一年前にきまりました。
半年前からは、応募要項の作成、質問の対応、情報の整理など具体的な作業を始めて、毎晩のように通訳なっちゃんとやりとりしていました。
当日は日本人参加者のブースを回って困りごとを解決する役割だったので、カーボン入りのランシューを履いて挑んだのですが、たくさんの出店者さんや来場者さんの笑顔が見れたから良かったです。
結果的に、
「高雄でこんなに人が集まってるところ見たことない」
と言われるほどに活気のある2日間となりました。
どこ歩いていても、サクサク歩けないほどに人が溢れておりました。
控えめに言っても、お客さんも出店者もある程度、満足いくものができたと思っています。



主催者Ruiもヘロヘロだったけど、普段あまり話しかけてこようとしない彼が
「コロナ前の開催時よりパワーアップしたでしょ?」
と言ってくるほどに、充実したことが伝わってきたからよかった。
一緒に楽しんで下さった皆さんに心の底から感謝です。

終了後、夜更けの懇談での様子。↓
私の目が半開きで血の気がないのは、血を体に巡らせる力もないほど限界だったからです、あしからず!

と、ここまでが嬉し楽しかったという表面的な報告。
ここからは私の本音と懺悔です。

元々私はマーケットに出たくて開業したくらいマーケットが好きなのですが、
『好きなものをつくる側』
に回りたくなるのは私の癖。(ちなみに手伝ってくれるなっちゃんも卒論テーマがマーケットだったくらいマーケットが好き)
参加者として関わるのももちろん面白いのですが、運営側として関わるとまた違う楽しみ方ができるし、視野も広がります。
そこに関わる皆さんへの感謝の気持ちも増し増し。
当たり前ですが、立場が変わると、求められることも変わります。
絶対に辛いと分かっていながら挑みたくなっちゃうのは私のサガ。

今回、個人的に反省点がたーくさんあります。
普段、一晩寝たらリセットできるほど立ち直りは早いのですが、今回は終わって1ヶ月半ほど落ち込みました。
正確には、情報や感情を客観的に処理するのに時間がかかったという感じです。
2023年で割ける時間と気力と体力と知恵で出来ることをやりきった自負はあるけど、
結果、なっちゃんに笑顔が少なかった。
通訳バイトのみんなも辛そうな場面が見られた。
写真を見返すとそれは明らかで、
間違いなく、私の至らなさが原因で負担をかけてしまった。
日本人出店者さんからは感謝のお言葉をいただくことも多くありがたかったのですが、
一番近くでサポートしてくれている、
一緒に楽しもうとしてくれている人たちに辛い思いをさせてしまったなんて
完全にお役目失格だ、そう落ち込みました。

ただ落ち込んでいても仕方がないので、
帰国してから1週間後の12月頭頃から今回のうまくいかなかった原因がなんだったのかを考え始めました。
結果、単に準備不足な点もありますが、その根底には
規模が大きすぎたこと
があるのはもちろん(今回で最後だから、規模を大きくぶち上げたいという主催者の意向があったので、これは仕方ない。)
日本人と台湾人の物事の進め方の違い
気になるところの違い
に寄り添えなかったこと、そしてなにより
日本側の参加者とイベント運営側の共通認識を持てるような進め方が出来なかったこと
がボトルネックだと考えるまでに至りました。


具体的に言うと
日本と台湾の交流が目的のイベントであること
という共通認識が持てていなかったと思われる事象が散見されました。
利益や名声を第一に考えるなら、台湾にもそういう商業イベントはたくさんある。
もちろん出店料3倍以上はザラだろうけど、そっちに出た方が上げ膳据え膳でその目的は達成されると思う。


普段の好好マーケットに行ったことがある人はわかると思うのですが、100店舗以上の規模ながら主催者の友達や出店者で運営をやっています。
だからこそ細やかな心配りができたり、出店者と運営とそこに集まるお客さんも含めて垣根のない関係性を築くことができる。(前回は台湾側の提案で、出店者にお弁当や飲み物の配達なんかもしました。)
私も過去に何回か参加しましたが、一見ぶっきらぼうな主催者Ruiの思いやりのある人柄や想像力や実行力にひかれて、その類友が周りに集まっているからできることで、これが他のマーケットにはない好好マーケットの力だと思っています。彼は自分の役割を明確に把握して、周りの想像を超える提案をしてくれます。
台湾側の出店者はそれが分かっているから、イベントの趣旨や意向についての共通認識を持てています。
できることは自分が率先してやっていこうとか、
遠くから来て参加してくれる日本人出店者へのプレゼントはとびきりのものを用意しようとか、(両国の出展者同士の商品交換企画をやりました。)、
自然とそういう発想や行動になったんだと思います。
私が完全ボランティアで渡航費出してもやろうと思えるのも、単純にマーケットが好きだからという理由だけでなく、Ruiとその仲間たちへの信頼が占める割合が大きい。(なっちゃんもそうだと思う。)


ただ、参加してくれた日本側の出展者はその予備知識なくポンと行って参加するわけだから、
日本でよくある大手企業が運営する良くも悪くも上げ膳据え膳でシステマチックに効率的に行う商業イベントとしてのマーケットを期待していた人も多かったのかもしれない。
事前にもっと
「好好マーケットってこんなマーケット」
という共通認識を持てるような策を取るべきだった。
それが合わないなと思った方は参加しないという選択肢を取ることもできただろうし。
これを前回できたかというと、時間も気力も足りなかったからできなかっただろうということは容易に想像できるけど、やはりやるべき事だったと今は思っています。

また、運営側としては
日本と台湾の交流を目的とするイベント
を掲げるからには、各出店者が他のブースを見に行きやすいシステムを提案できなかったということも反省点です。
前回までは規模が今回の半分くらいだったこともあり、隣の店舗の人にお店の留守を任せて見て回る時間も取れたところが、今回はとにかく会場が広いし人も多いし、1人で参加していた人はとても見て回れる状況ではありませんでした。
参加者にイベント趣旨を伝えた上で交代でお店番をできるような人を連れてきてほしいと伝えることだけでも状況は少し改善できたはずだと。

これが今考える「お役目を果たせなかった原因」。

ちなみに落ち込んでいた1ヶ月半は誰にも話しませんでした。
私の周りの人は優しいから、話したら励ましや「大丈夫だよ!」みたいな言葉をくれるだろうけれど、
それに甘んじて
「そうだよね、私間違ってないよね。頑張ったよね。」
と変な自己肯定で原因を追求する気持ちが薄れてしまっては成長につながらないし、何も解決しないから。
まず自分の中で情報を冷静に整理して、方針を決めて、アドバイスが欲しいときは信頼できる人たちに具体的に聞く、という手順を踏むのが一番いいと思ったから。


そして
「落ち込んだ」
という状態から、何が出来て何が出来なかったのかを冷静に整理してまとめて
「悔しい」
という状態まで持ってこれた段階で、いつもデパートに出店するときにバイトをしてくれたり台湾のマーケットにも参加してくれる友人たちに正直に話して意見を欲しいとお願いしました。
みんなにいろんな意見をもらいました。
その中にはもちろん私とは違う意見もあるわけですが、感情は横においておいて、客観的な判断をするためにまずいろんな意見を聞くことは必要な過程だと思っています。
ありがたい、ほんとにね。
ある程度自分で考えてから、人の話を聞いて、感情は置いておいて、客観的な判断をする。
そしてそれをこれからの人生で活かしていく。
人生を豊かにするには、そんな地道なことの積み重ねが大切だと思っています。

リモート開催の一回を含めて、好好マーケットの運営に関わるのはこれで4回目。
お金では買えない、貴重な体験をさせていただきました。
そしてこれはつくりての利益には一切つながらないけど、間接的に會田由衣のものの見方や人間力の成熟に大きな影響を及ぼすので、お金よりはるかに大きな財産だと思っています。


「また次開催してね」
という声は多いのですが、
「日本のみんなにシェアしたい」
という役割は十分に果たしたし、
もう道は作ったから、出店したい人は自分で申し込んで出れるでしょう。
主催者Ruiも会場内のデザイン(レイアウト、什器はもちろんバイオリン奏者や装飾お花屋さんに依頼したり)をこれでもかとやり尽くしました。(誰が見ても完全に赤字。)
Ruiの中でも私の中でもこれが最終回だと思っていました。
周りにもそう宣言していました、
1週間前まで。

人生は予想外の展開にあふれています。
次があるかないかは現時点でわかりませんが、あったとしても私は同じ景色の焼き直しをするんじゃなくて、新しい景色を頭の中に描いてチャレンジしたいと考えています。
過ぎた良き思ひ出に固執していいこたないのであーる。
そして一番近くでサポートしてくれているなっちゃん始め仲間の笑顔を見るために全力で頑張るぞと。
失敗から逃げるも、恥を忍んで挑むも、自分次第。



1週間前の時点で私が台湾関連で次に考えていたことは2つ。
一つは私が先導して進めていくこと、
もう一つは強力なパートナーありきのこと。(パートナー次第案件)
加えて今は、3つ目もあるかもねというフワフワした状況です。
例えるなら、若い二人が
「私たち、付き合ってるのかな?」
みたいな甘酸っぱいワクワク感に近い感覚かもね。
そんなお花畑に身を置いたことはないから知らんけどー。

とにかく台湾でも日本でも
つくりてとしても、會田由衣としても、
「ここは私の力を活かせるかも!」
という場面で、笑顔が生まれる場を作っていきたいと思います、押忍!