【つくりてが会社になりました】

2023年6月13日、TSUCURITEを開業して丸11年になります。
このタイミングでTSUCURITEを法人化(会社化)しました。

全てはお客さん、友人、仕事仲間、そして家族のおかげ。
こんなに長く続けられるとは、まさか会社にする日がくるなんて、びっくりおったまげー。
より良いコンテンツにできるよう精進します。

「なんで法人化したの?」

そう思われる方も多いと思うので、ちょっと詳しく書こうと思います。


きっかけは昨年春のこと。
ありがたいことに昨年春は催事がてんてこ舞いのタイミングでメディア露出があってお店もパンクして、心身ともに本気の限界までいきました。
作っても作っても、寝る間を削って作っても、まだ足りない。
しかもクオリティが落ちる。
それまでは

「まだいける」

と思っていた私ですが、完全にパンクして、心も壊れて、円形脱毛症までこさえて、

「これは10年後を見据えて、変えていかないと」
と真剣に考えるようになりました。


そして2022年年末、友人が忘年会でサラッと
「そろそろ法人化したら?(覚悟決めたら?)」
と。
私の100倍攻めの姿勢で仕事に邁進する友人、そして夫婦でつくりての経営を見てくれている友人の言葉を話半分に聞いて、迎えた大晦日。
ひとりお酒を飲みながら、
「今年の売り上げで法人化したら、税金とかの支払いってどのくらい変わるんだろう?」
と簡単に計算したら
「あれ?これ、法人化した方がいいライン越えてない?」
と気付くの巻。(理数系の名残りで数字は弱くない)
シラフでもう一度ちゃんと計算して、ある程度売り上げが落ちても大丈夫とわかったものの、渉に言うと
「あなたの性格上、法人化したら、もっと頑張らないとって更に忙しくしそうだ」
と言われ、確かにそうだなと。
同時に
「でもあなたの中でもう決まってるんでしょ?」
と。
渉の言う通り私の中で決まってはいたものの、漠然とした怖さが大きくて、不安で不安で、何のための法人化なんだろうと明確にするために時間をかけて考えました。


取引相手によっては法人じゃないと箸にも棒にも引っかからないからと、開業と同時に法人化する人は多い。
ただ私の業種の場合はそんなことはない。
そして私はビビリなので、人生のベースでリスクを負いたくないタイプ。
父も会社をやっていた事もあり、その難しさをある程度は理解している。
そんな私が法人化した大きな理由は
「10年後に作り続けられるような体制を整えるため」
50歳で今と同じ作業量は確実にこなせない。
40歳の今年の春ですら、ヘロヘロのヨレヨレで、もう思考停止状態でした。
この先、こんな私を手伝ってくれるような奇特な人を探すとしたら、その人が安心して働けるような、最低限の環境を整えたい。(私がブラック店でしんどい思いをしたので、そこはちゃんとしたい)
そのための法人化。

あと会社員の方は知らないと思うけど、個人事業主の信用って、皆さんが考えている以上にない。
ローンを組むのも一苦労だし、例えばデパートに出店する時の身分証明のための書類が煩雑だったり、相手方に迷惑をかけてしまう事も多々ある。
仕事仲間の手を煩わせないための法人化。

あとは腹をわって書くと、
「お菓子屋」「既婚女性」「自宅の一階を店舗にしてる」
というスペックは、
「配偶者が生活費を稼いでいるから、趣味の範疇だ」
「小遣い稼ぎでやっている」
と自動的にカテゴライズされる場面も多く、本気度が伝わりにくく、チャンスを逃していると感じる場面も多々ありました。
それは誰のせいというわけではなくて、社会構造からくるものなので仕方ない。
それなら自分が変わるしかない。
その障壁を取り払うための法人化。


あと、私には野望があります。
ビジネスとは違うベクトルの野望。
半分ジョーク、半分本気の目標近付くための法人化。

そして最後の決め手は
「先に進まない理由がない」
これでした。
法人化が前進か後退かという議論はあるけど、お店を構えた4年前にはできなかったことが、今はできるようになったんだから、たぶん前進。(法人化自体はお金さえ払えば誰でもできるけど、法人化して事業としてなり立たせることができそうだとなったのは前進だよね)

心身が強く見られる私でも人並みに未知のゾーンに足を突っ込むことは怖いです。
ただここにとどまる理由もないので、
「こわいよー」
と言いながら進もうと決めました。
いや、私ビビリなのでほんと怖いんです。
と言いながら、法人化を決めた時から半年経過して、ちょっとその怖さに麻痺している自分もいます。
決めたことは粘り強くやり通す自分を信頼しているので、きっと大丈夫。


法人化した事で出来ることも増えます。
社会に、お店のある国分寺や厚木の地域に貢献できることも増えるはず。


「お菓子はコミュニケーションツールだ」
という考えも変わりません。
お菓子を通して誰かに気持ちを伝えたり、
同じお菓子を食べて笑い合ったり、
忙しい中で自分自身をお菓子で労ったり。
そんな時間や経験がその人を豊かに、元気にしてくれると信じています。
乳製品や卵不使用なのは、多くの人たちにそんな時間を過ごしてほしいから。
私自身の志と姿勢はこれまでとなーんにも変わりませんので、どうぞよろしく。

というわけで、あたい、組織に属せるタイプじゃないから会社作っちゃったYO!
15年ぶりくらいの厚生年金加入だYO!
とふざけてプレッシャーを誤魔化そうと思います。

最後に家族(猫3名含む)よ、ありがとう。
私が苦手な部分でサポート&応援してくれる夢ちゃん、

私の視野を広げるきっかけとなった台湾での活動を一緒に楽しんでくれるなっちゃん、
私をけしかけてサポートしてくれるピラリー&みっちゃん夫妻、
本気で応援とアドバイスをくれる常、
いつもその時の私に必要なヒントやチャンスをくれるじんそん、
スペシャルサンクス!