【文化が違う人と一緒に物事を進めていくときに大切だと思うこと】

昨年の今頃は11月に行った台湾の好好マーケットと鬼子母神手創り市のコラボレーションを実現すべく、必死で準備をしていました。
繁忙期も相まって、とにかく大変だったけど、とても勉強になりました。
楽しいこともたくさん、思うこともたくさんありました。

そして最近の私の台湾との関わり方はというと2つ。
・日本の催事で台湾人作家の商品を販売してもらう。(9月から進行中)
・台湾のマーケットで日本人作家のブースを作る。(これは11月に本番予定)

コロナ禍で渡航できない現在でも、できることを探して楽しんでいます。
前者は山を越えましたが、後者は佳境を迎えております。
私の役割としては、参加する方々と主催側のやり取りの間に立つこと。
いつも私の台湾での活動をサポートしてくれるなっちゃんとやっているのですが、
毎日のように連絡を取り合い、ひたすらに話し合っています。

「台湾と日本は似ている」
とか
「台湾は日本のことが好きだ」
なんてことはよく耳にします。
それはまぎれもない事実だと思います。
がしかし、やっぱり国が違えば文化は違う。
物事を進めるときのやり方、感覚、距離感などなど、全然違うと思います。
そこをきちんと理解していないと、齟齬や不満が生まれていい関係が築けないよなぁと。
似て非なるものという感覚は大前提として持っていた方がいい関係性が築けると思うのです。

今日はそんな、文化が違う人と一緒に物事を進めていくときに大切だと思うことを書きたいと思います。
あくまで私の主観なのであしからず!

文化が違う人と一緒に物事を進めていくときに大切だと思うこと

1、想像力を働かせること。


ちょっと怖い発言かもしれませんが、
信用を得るのは大変だけど、信用を失うのはあっという間。
言葉や文化が違うからこそ、自分が意図したことと違った伝わり方をする可能性も高いし、いつも以上に配慮する心がけが大切です。
とくに違う国同士の場合、お互いの国の歴史的背景を知らず、ふとした一言で相手を傷つけてしまうことは要注意。
無知は言い訳にならないなと。
また日本人同士でもそうですが、
「こう言ったら、相手はどう感じるだろう」
「自分の中ではこれが当たり前だけど、相手にとっては違うかもしれない」
「相手の状況を察して、ここは自分が歩み寄ったほうがいいな」
と想像すること、とにかく想像力を働かせることがいい関係を築くコツなのかなと思っています。

2、積極的に意見交換をすること

なっちゃんは日本に住んでいたこともあり、日本人の感覚に近い台湾人。
私は台湾人やカナダ人に日本人ぽくないと言われる日本人。
(彼らの言う日本人らしさ=物事やスケジュールをきっちりバッチリ決めて進めていく、しっかりしている、細かい、心配しがち、自分の意見を率先して言わない、などなど、らしいです。)
かれこれ6年くらい濃いめの関係を築いているそんな二人の間でも、お互いの言いたいことが伝わらなかったり、同じ会話を聞いても
「えー、彼女が言っているのはそういう意味なの?」
と理解が異なることは多々あります。
だから
「こういう言い方をしたら日本人はどう思う?」
「私はこうしたらいいと思うけど、台湾人的にはどう?」
などと率直に聞き合って、質問しあって、共通理解を得ていきます。

日本だと
” 意見を言うこと ” と ” 言い合うこと “が混同して捉えられたり、
意見を言うことは我が強いと捉えられることもあるんじゃないかなと思います。
一歩下がっていることが美徳とされることもあるし、
引っ込み思案であることは愛らしいポイントとも捉えられることもある。
でもそれはあくまで日本での話。
文化の違う人とやりとりするときには、こちらから歩み寄って行く姿勢が必要だなと思います。

3、想定外を楽しむ姿勢をもつこと

日本では最初に決めたことが後で変わることは少なくて、
その最初に決めたことを土台として進めていくことが大多数なんじゃないかと思います。
最初の前提がひっくり返ると、
「最初と話が違うじゃないか!」
と、それは非難の対象になりやすい傾向があります。


でも台湾では(カナダでもそうだった)、
” 意見を言いあって、よりよいものへ変化させていく ”
ことが優先されるように感じました。
最初に決めたことでも状況に応じて変化していくし、前提と違っても
「こうした方がいいんじゃない?」
と意見を言うことは真剣に取組んでいる証なので、何も言わずにいることがよしとはされていないように思います。
「最初と話が違うよー。ひどい。」
なんてお門違い。

私は台湾とカナダで幾度となくそのどんでん返しの洗礼にあい、
「あんれまー!」
と時に半べそをかいてきたわけですが、それは必要な過程。
決して相手の価値観を押し付けられているわけではなくて、私が意見を言えば相手も
「あんれまー!」
となり、お互い歩み寄る過程にはいります。
ここで相手に怒ったり、責めたりするのはお門違いもいいところ。
意見を言い合って、溝を埋めていき、よりよい落とし所を探ります。
その過程を
「あらあら、想定外の展開だわ。」
と楽しめるか否か、そこが文化の違う人たちと一緒に物事を進める時のポイントかなと思います。
もちろん国籍の違いだけじゃなくて、国内でも環境が違えば考え方は違うので、
この” 想定外ウェルカム精神 “は自分自身が楽に楽しく生きていくコツなのかなと思う今日この頃。

4、素直な気持ちを口にすること

私は一人で文化の違う場所に行く機会に恵まれたこともあり、そんな場面に遭遇する機会も多く、
日本でも自然と自分の意見や感情を言葉にするようになりました。
「私、それは共感しがたいのでやめときます」
「私、◯◯さんのそういうところ好きです(異性でも普通に言う)」
「それだと誰の特にもならないから、こういうやり方にしませんか?」
たとえプラスなことでも、日本人的にはこうハッキリというとびっくりする人も多いようです。
相手の顔を見ていると、びっくりしている様子が伝わってくることも多々あります。
オブラートに包んだ方がいい場面もあると思いますが、” オブラートに包む “という概念が薄い文化でそのやり方をすると、違う伝わり方がしてしまうリスクがあります。
もちろん賛否両論あると思いますが、
相手を貶めたり、人格を否定したりしなければ、素直な気持ちをそのまま伝えることが一番シンプルで伝わりやすいのではと思っています。

5、相手に興味を持つ

相手に質問することは、相手に興味を持っていることの証。
台湾人は日本人の比じゃないくらい、初対面の相手に質問をします。
日本人だったらしないようなプライベートな質問も全然アリ。
ワークショップを開催したら
「ゆいさんは結婚してるんですか?子供はいるんですか?」
と大勢の前で普通に質問が来たりするわけですが、
それは彼らが私に興味を持ってくれているだけで、他意はないのです。
ちなみに私は人間が好きなので無意識に初対面の相手をよく見て、よく質問していますが(見過ぎ、質問しすぎと言われるので難ありですが)、
日本人は遠慮しているのか相手にあまり質問をしないよなぁなんて思うことが多々あります。


私が思う、文化が違う人と一緒に物事を進めていくときに大切だと思うことは以上。

相手に興味と尊敬の念をもち、率直に話して意見を交換すること。
郷に入っては郷に従う、ではないけれど、相手を尊重すること。
想像力を働かせて、こちらから歩み寄る姿勢をとること。
そんなことが大切なのかなと思う今日この頃です。