【愉快に、マイペースに、強かに】


つくりて を開業して13年、
つくりて厚木店と国分寺店を構えて、ほぼ6年、
法人化して2年。
そんな節目の季節です。

この一年のつくりてのテーマは
お店のある場所に集中する
でした。

国分寺は元々祖父母が住んでいた場所であり、私が生まれ育った世田谷や調布と同じ東京の西側地域。
私が生きてきた ” 暮らし方 ” に近い感覚なので、変に気負わずにやれていた気がします。
個人店も多く、移動は電車がベース。

ただ厚木は私にとって完全に未知の場所。
お店を構えてからは
「厚木の人達に馴染まないと」
と肩に力が入っていたし、
「慣れ親しんだ東京のイベントに出店するんじゃなくて、厚木に積極的に出ていくべきだ」
「催事に力を注ぎ過ぎだ」
という意見に、
「そういう一面もあるかも」
と思ったので、ひとまずお店に集中しようと取り組んできたこの一年。

そんな自分の中の感覚が変わってきたのは昨年秋頃。
お菓子のラインナップも厚木と国分寺、そして東京ど真ん中のデパ地下では求められるものが違うので、暗中模索の日々でしたが、
厚木店のお客さんの反応を見る中で
「尖ってもここまでなら受け入れられるライン」
がなんとなく把握でき、外してはいけないベースの上にアクセントとしてわくわく要素をプラスする、という感覚を養えた気がして、
「あ、このフェーズは終わったな」
と。
それならばと自分の中で禁じていた、私が開業するきっかけとなった手創り市に6年ぶり?に出店しました。

初参加くらいの気持ちで挑んだら
「つくりてさん、おかえり!」
と出店者仲間やお客さんが覚えてくれていたことが嬉しかったし、開業時に作っていたお菓子よりも今のお菓子の方がお客さん視点で魅力的なものになっていると自負できていることが嬉しい。

出店者も来場者も運営側も互いにリスペクトをもってその場を創って楽しもうとする姿勢あふれるマーケットがやっぱり好きだ。
つくりては常設店舗だけど、そういう場を作ろうと考えたらいいんだ、そうしたら同じような感覚のお客さんが集まってきてくれるんだと、視界が開けた気がしました。

一方、厚木と国分寺に閉じこもってたらそれは達成できないという確信も持てました。
地元のイベントばかりに出ていたら出店者もだいたい同じだからお客さんだって新鮮味がなくなるし、出店者側も毎度新鮮な気持ちで参加するのは難しいもの。
限られた人的リソースと時間をどう効率よく使って、地元の人にも喜んでもらえるような風を吹かせるか。

また會田由衣の特性を活かすには、つくりてはベースを厚木と国分寺におきながら、積極的に外に出て、世間に揉まれて、
「あー、悔しい!」
「次はもっといいものを見せられるように、やってみせようじゃん!」
と、荒波サバイブしていくのがいいという結論も出ました。
この一年試してみてよく分かった、ゆるーく、ぬるーくは性に合わない。
打たれ強さと気合いと根性には自信があるのでね。

というわけで、14年目も愉快に、マイペースに、強かに。