【一緒に成長していく】


写真はバレンタインの時に出した、フロランタン。
ナッツや炒り豆のキャラメリゼが乗ったお菓子です。
歯ごたえがあるので年配の方にはお勧めできませんが、
「あのお菓子、もう出さないんですか?」
と聞かれることも多い、個人的に大好きなお菓子。
またブラッシュアップして出す予定です。

今日はちょっと前のお話。
「安すぎませんか?」
イベント出店時にお菓子屋さんからかけられた言葉について。
実際、卵乳製品不使用のお菓子って、もう少し値段帯が高い。
国産材料を使った、手作りのお菓子って、もう少し値段帯が高い(酵母系とかね)

ただ私は正直に言いました。
「安すぎませんよ。人時生産高もしっかり考えた上でお店を継続できる値段設定なので。むしろ世の中のこの手のお菓子って高すぎると思ってます」
と。
私、こう見えて数字は強いのです。
そしておじけず、時には正直な物言いをする強さもあるのです。


マルシェや催事ってお祭りだから、値段設定を少し高くしても売れるのはわかります。
なんたってマルシェ参加歴11年目だから。
ただお店を構えて、地域の人たちに成長させてもらって、長く続けていきたいと思ったら、
適正な価格を設定することは必須だと思っています。
こちらも負担になりすぎず、お客さんもなんとか手に取りやすい価格を設定すること。
長い目で見たら、適正以上の価格設定はそのブランドにとってマイナスでしかないと思っています。

そして原価の高い材料を使ったら商品の値段が上がることはもちろんですが、
何よりも高いのは人件費。
製造側としてはいかに効率良く、たくさんの数を1時間で作れるような作業工程にするかを模索していけば、
作る側もお客さんも負担なく、価格を抑えることができる。

私は
「お客さんに消費されるブランド」
ではなくて、
「お客さんと一緒に成長していくブランド」
を目指しているのであーる。


高級食パンみたいにその時は儲かるけど、
お客さんがはたと
「これ、なにかおかしくないかな?」
「一回買ってSNSに上げたからもういいや」
と思うものを作りたいとは思わないし、そこにきちんと責任を持っていたい。
(ブームを連発する手法もあるけど、それは私には合ってないという言い方もある)

もちろん小さな子がお小遣いで買いに来てくれた時に買える値段設定にしたいとか、
そういう思いもあります。

私はこんな感じで頑固なのですが、
それができるのは個人店のいいところ。
全てのリスクを自分で負うからできること。
やっぱり自営業は私にあっているようです。