【大人の余裕】

写真はベイクドチーズタルト。
少しレシピをアップデートしたいなと思って試作中。
重さと軽さを同時に感じられるものにしたいという無謀かなと思うことを考えていますが、
どうなることやら。



今日は
「もうこの年になると叱ってくれる人なんていないよ」
そんな言葉を聞いて、考えたこと。



お店をやっていると、いろんなご意見を頂きます。
お客さんから、同業者から、催事やデパートの関係者さんから、賛同のご意見も非難のご意見も頂きます。
その時はどちらの意見でも詳細を伺います。
「なんでそこを評価してくれたの?」
「なんでそこに怒りを感じたの?」


本音を言えば、私やお店に反感をもってるだろうなという方のお話は聞きたくない。
私も人並みに傷つくし弱いから。
ただ、逃げたらそこでおしまいだと思っています。
詳しく伺うと自分に足りないモノが見えて来る場合もある。
中には単に怒りをぶつけたい人、かまってほしい人、自己中心的な主張をする人も中にはいるけど、それは少し話して判断、そしてそれ相応の対応をすればいい。




分かりやすい例を挙げると、男女の別れの時。
「別れたい」と言われた時、理由を聞いて理解しようとする人と自分の足りない部分を指摘されるのが怖いから理由を聞かず、そのまま別れを受け入れる人がいると思います。



私は前者を選びます。
その時は傷つくけど、理由がわかればウィークポイントを見つけられるかもしれない。
その人と別れたとしても、その後の自分の生きやすさにつながるかもしれない。
ここで勝手に自分にとって都合の良い理由を決めつけて、強がってたって誰のためにもならないなという合理的思考です。

後者を選ぶと、同じ事を繰り返してしまう。
「あの人とは合わなかったんだ」
「こんな私でも頼りにしてくれる人がいるから」
なんて強がったり、思考を止めてしまったら、本当の理由を理解する姿勢を持たなかったら、何も解決しないし、次もまた同じ逃げ道に走ってしまう。
言い訳して逃げるのは簡単。



もちろん、しっかり話して、聞いて、考えた上で
「相性が悪い」
という結論はありますが、まずは相手の主張を汲み取る努力をするという過程をすっ飛ばしたらいけないなと思っています。
人間1人では生きていけないわけで、他人とそして自分と向かい合う事は誰かと上っ面じゃない信頼関係を築くためには必須なことだと思っています。
その時は自分の中でちょうどいい言い訳をみつけて逃げきれたつもりでも、
また同じようなことが起きた時に同じ逃げ道に逃げ込むことになるから、
その問題からは一生逃げきることはできない。



そして
「ここが相手にとって嫌だったのかな?」
と思ったポイントと実際に相手が不快に思ったポイントが違う場合もある。
向き合う姿勢って大事だよなと思うわけです。


私は29歳で開業したこともあり、30代になってから親身に叱ってくれる人は確かに少なめ。
でも、私が違う方向に走ってる時に怒るわけではなくさりげなく一言いってくれる友人や
「なんであの時あんな話を私にしたんだろう?」と私に思わせるやり方で私を導いてくれる諸先輩方、
「こんなこと悩んでいるんです。」と私が自分を振り返って考える機会を作ってくれるような質問をしてくれる若い方に恵まれています。
これは何よりの財産。




大前提として、頂く意見が全て正しいとは思わないし、
それを見抜く力を養う必要はあるけれど、
誰かの意見をまずは感情に流されず、素直に受け入れられる器の大きさを身に付けられたらカッコいいなと思っています。
それが大人の余裕ってやつかもね。