【好きなことを仕事にする】

写真は落としてしまったモンブランブリオッシュを頬張る私。
何ヶ月ぶりかに食べたけど、美味しい、よし!
特に焼きたては表面がカリッとして格別なんだよな。
パッケージしたものもオーブントースターで少し焼き戻すと表面カリッと美味しいので、
気になる方はぜひおためしください。

今日はよく言われる
「好きなことを仕事にすると上手くいかない」
ということについて。
お金を稼げず仕事にならないか、お金は稼げても好きな事ができなくなるかのどちらかに転ぶって事だろう。
でもね、そんな事はないと言い切りますよ、私は。
家族や友人、そしてお客さん達のおかげで私も10年目にして、猫たちも含め家族がご飯を食べられて、好きな事をできている状態になれたから。
時間がかかったし、余裕があるわけではないし、これから先もその状態を継続するのは容易ではないと思いますが、
好きなことは仕事にできる
と声を大にして言いたい。
問題はそこではなくて、違うところにあると思うのです。


何か組織に属している場合、その部署で利益を上げられなくても他でリカバリーできる体制があるならお金の心配はなくなるけど、その人がやりたい事をやりたい形で実現するのは難しいかもしれない。関わる人数が多いほど自由はきかなくなるから。
一方で私の周りには手作りのものを製造販売している人がたくさんいますが、それで生計を立てられているのはごくごく、ごくごーく一部です。
たいていは、平日は割り切って会社員として働いている人、家族の扶養に入っている人、親の会社の役員収入がある人などなど。
もちろんやり方は人それぞれだから、自分にあったやり方をするのが一番いい。
でもその中には「本当は好きなことを仕事にしたいけど諦めている」と思っている人もいるんだろうなと。
個人的にはちょっと寂しい。

私が思っているうまくいかない原因はまず、
壁を乗り越える前にやめてしまうから
レールがないのだから、そもそも最初からとんとん拍子にうまくいくはずがない。
例えば私の仕事の場合、ものづくり、経理、発信、接客、外部協力者とのコミュニケーションなどやることが多岐にわたるので、自分が得意でないものにもチャレンジする必要が出てくる。
それで生計を立てる場合、その壁にぶち当たっている間にものすごい不安を感じる。
良くも悪くも自分を信じられないとしんどくなる。

そしてもう一つ、最近私が思っているうまくいかない原因は
私がいいと思ってるコレ、いいでしょ?
の思考なんじゃないかと。
一般的な人からみたらとっつきにくいものや複雑なものでも自分がいいと思うから伝えたい、みたいな。
私もそういう思考回路でした。
今思えば自分がいいと思っているものを一方的に押し付けていたなと。
理解する側がだいぶ寄り添ってくれないと伝わらないものに固執していました。
それでうまく伝わらないのはなんでだろうなぁとモヤモヤしてしまう。
でもニッチなファンはいてくれるので、そこがまた心の拠り所みたいになってしまって、結果的に悪循環を生むスパイラル。
完全にそこに陥っていたなと思うのです。


個人事業主って組織に属するのが苦手で主張が強い人が多いので、(独断と偏見の會田由衣調べ)、このスパイラルは陥りやすい。


知り合いに聞いた話ですが、彼はあるコーヒー屋さんが上手くいかなくて悩んで相談してきた時、
「コーヒー好きにもっと好きになってもらいたいのか、コーヒーをそこまで好きではない人に好きになって欲しいのかがはっきりしていないんだよな。そもそもコーヒーがそんなに好きで味の違いがわかる人は多くないんだから、後者にアプローチできるような見せ方や商品作りをしないと」
とアドバイスしたそうです。
(今となっては、これは彼の私に対するアドバイスでもあったのかなと思ったり。)
それ以外にもその商品自体の良さが伝わってないのか、需要のあるところにアプローチできていないのか、それが他の人から見てお金を払う価値があるものであるかを評価する必要があるのに、そこを蔑ろにすると、問題がどこにあるのか見えてこない。
だから「好きな事を仕事にするのは難しい」と片付けてしまうパターンも少なくないのではと。

その物やサービスを買う人は、それが自分にとって(もしくはプレゼントする人にとって)プラスになるからお金を払うわけで、「これいいでしょー。」と押し付けられても、いいと思わなければ買わないのは当然。
よくあるのは雑貨類で「これを使っている画が想像できないもの」を作っているパターン。
たしかに素晴らしい素材である事はわかるし、オシャレだけど、なんだかそれを使ってる自分が想像できないよなぁみたいなもの。 


食で例えるなら、私は台湾の仙草ゼリーという薬草ゼリーが大好きです。
しかし日本人に好まれにくい味であることは理解しているので「私が好きなこれ、美味しいでしょ?」と製品化しようとは思いません。
製品化するならパイナップルケーキ。
個人的にそこまで好きではないけど、そこに日本人が馴染みやすいアレンジをして、私も好きだと思えるパイナップルケーキを作ろうと思う。
少し前までは私になかったこの観点ですが、やっぱり喜んでもらえたら嬉しいもんね。
豆乳バターサンドを作ったのも、この観点からでした。


もちろんこれが絶対正解だなんて思ってはいません。
例えば「これいいでしょー?」スタイルで成功している友人が1人います。
彼女は表面上はふわふわっと軽い印象ですが、きちんと市場をリサーチして、自分の強みを理解した上で、人生をものづくりにつぎ込んで、しっかりと戦略的に物作りをした上での「これいいでしょー?」だからこその結果。

最近の私はお客さんが喜んでくれそうなものを探り、その確信が持てたら私なりのアクセントをちょこっと加える、というやり方をしています。
お客さんも喜んでくれて私も楽しい、いい落とし所を見つけよう作戦です。


実は私のそのやり方は渉からずっと指摘されていたのですが、突っぱねていました。
「大衆を意識しすぎてみんなと同じ物を私が作ったって意味ない」
と。
私らしさは自動的にプラスされるから、そんなこと意識する必要ないのにね。
意固地になっていたなと最近強く思い、
「あなたの言ってた事は正しかったね。」
と渉に伝えましたとさ。
というわけで、好きなことは仕事にできるよというお話でした。