【あれもこれもできますの罠】

写真は桃の豆乳レアチーズタルト。
9〜10月頭頃に出していたお菓子です。
次に登場するのはまた来年かな。


今日はその頃に考えていたことについて。



あれもこれも出来ます
組織の中にいると重宝されることも多いかもしれない。
学校でも満遍なくできる子が優等生として見られる。
(私はこのタイプ。なので一点突破力に欠けるのが物作りを生業としている身としては弱点)
だから大人になってからも強みに感じている人も多いかもしれない。
実際、それが役に立つ場合もある。

ただ個人事業主として、生業として仕事をする場合、
「あれもこれも出来ます」
は重宝されない場面も同様に多い。
敬遠されたり、利用される可能性がケースも多い。



例えば私が
「焼き菓子屋です」
「イベントの主催運営もやってます」
と言ったとする。
その場合、どちらも中途半端になる可能性が高い。
なぜなら人生、そんなに時間はないから。
一つのことだけに集中したとしても、40歳、50歳そこそこで極めきることはできないから。
複数人の組織なら、担当を分けてどちらもプロとして成り立たせることができるだろうけど、
個人で全てやっている場合はかなり難しい。
むしろ、お菓子屋だけでやっていくと腹を括れていない弱さが露呈することになるから、搾取しようとする人や足元を見る人、もしくは仕事に対する熱意が弱い人(とりあえずこなす事が目的の人)が集まってくる、という構図になりがち。



もちろんお菓子屋がぐんぐん大きくなって、法人化して社員何人も雇って、私が現場を離れるようになって初めて
「イベント業に手を出そう」
「先生業に手を出そう」
という発想が出てくるのは次のステップとしてありえると思います。(私はその気、一切ないけど)
ただ、それもパッとうまくいくほど簡単ではないのは明白で、
そこにしっかり注力できる時間と気力と忍耐力が必要になります。
そのためには、まずお菓子屋の現場の仕事を離れて、次のことに注力できる環境を整えなくてはならない。
となると、個人では厳しいよなと。

それより、自分が本業に集中する時間を確保するためにも
自分の専門分野以外のところはプロに託した方がいい。
とにかく自分の専門分野を極めることに徹底した方が社会や周りの人への貢献につながる。
そんなことをしみじみと感じています。


「ゆいさんは台湾でマーケットやってるじゃん」
と言われるかもしれませんが、これは趣味です。
台湾の好好手感微笑市集というマーケットがあって、
そこのボスRuiがいて、
私の役割は、台湾でいつも一緒に活動してくれているなっちゃんと二人で参加者の募集要項を作ったり、開催前の出店者からの問い合わせに答えたり、当日は現場で私は日本人参加者のサポートをメインに台湾のスタッフたちと共に動いています。
私はお菓子屋、なっちゃんも会社員という本業があり、
マーケットは趣味としてやっているので、お金をいただいているわけではありません。(Ruiにご飯を奢ってもらう感じ。)
プロとしてお金をもらえるほどの働きではないし、
なっちゃんも私もマーケットが大好き、そして台湾と日本の架け橋になりたいという気持ちに突き動かされているだけ。
二人とも台湾と日本人の感覚を半分づつ持ったような人だから、自分で言うのもなんだけど適任なんだな。
台湾でTSUCURITEとしてできることの模索は別でしていますが、マーケットは趣味です。





というわけで、
私がプロとしてできるのは、お菓子に関することだけ。
脇目も振らず、焼菓子道をひた走りますよ。
だって、やってもやっても終わりがないし、やってもやっても楽しいんだもん。
きっとこのままおばあさんになるんだろうね。