【10年目のTSUCURITE】

叔母が「お店、安定してきた?」と聞いてきました。
一生、安定なんてないなと思いました。
安定を目指すつもりもないなと思いました。

6月13日、TSUCURITE は開業10年目に入りました。
家族、お客さん、友人達のおかげに他なりません。
私自身は皆さんの手の中で転がっていただけ。
節目を機に振り返り、今私が感じてる事を書き留めておきます。
まとまりがない文章だけれど許してちょ。

この9年間には、文房具カフェの運営に組み込んでもらったり、台湾やカナダで仕事をさせていただいたり、商業施設での催事に参加させていただいたり、TSUCURITEのターニングポイントが散りばめられていました。
どれも自分から獲得しようと働きかけたわけではなく、私自身が楽しいと思う事をやっていたら声をかけて下さる方がいた、という流れです。
運の良さはピカイチ!
中でも2年前にお店を構えた事は大きなターニングポイントでした。
お店を構えたら自由度が低くなるだろうと及び腰だったけれど、周りの環境の変化に身を任せた結果、開店することに。
お客さんと会える機会が増えて、新たに知り合える方がいて、結果論ですが開店してよかった。
そして東京と神奈川の2拠点でお店を構えたのも「厚木店の工期がすんごい遅くなる」という不可抗力がなければ、絶対になかったでしょう。
一人製造で2店舗営業をしている人なんて聞いたことないし、同業者からは「どうやったらできるの?ずっと仕事してるの?」とかなり驚かれるほどのバッタバタですが、楽しいので万事OKです。


そんな私の中では、
「お店を構える事 = 同じ熱量の人と仕事ができるようになるための一つの手段」
と捉えています。
というのも、個人店といえど他のお店や催事主催者さんと何かを一緒にやるという機会は多くあります。
特に私はそんな環境に身を置きがちです。
自分にないものに触れて、視野を広げることができるから。
その中で私が一緒に何かをやっていて心地いい人、同じ目標に向かえる人が段々とわかってきました。
「言い訳せず、覚悟を決めて、自分の仕事に一途な人」
「自分の仕事を無我夢中で楽しんでる人」
「なんか新しいことやってやろうという気概のある人」
私はそんな人と一緒に仕事をしたい、ワクワクぞくぞくしたい。
そのためには
「TSUCURITE由衣さんと一緒に仕事をしたい」
と思ってもらえるような存在になる必要がある。

そのためには私自身の人間力や技術や想像力を磨くことは必須なのですが、
「TSUCURITEに対する私の真剣さ」
を伝えることも必須だと思っていました。


というのも、お菓子屋と言っても色んな人がいます。
お店を構えて毎日営業するスタイル、
お店を構えずイベント出店だけのスタイル、
レンタルキッチンを借りて製造販売するスタイル、
お小遣い稼ぎ程度にやるスタイル、
副業としてやるスタイル、
それで生計を立てるスタイル、
そして残念ながら無許可や名義を借りて不法にやるスタイル。

どれがいいとか議論したいわけじゃないので悪しからず。
それぞれが、それぞれの考えを持って、それぞれのスタイルでやればいいだけのことだと思っています。
ただ「TSUCURITEに対する私の真剣さ」を伝える一つの手段として、
覚悟を決めてお店を構えることは伝わりやすい行動かなと。

一方で、お店を構えると決まった3年ちょっと前から昨年秋頃まで、私は人生の中で一番プレッシャーを感じていました。
今だから話せますが、想定外の出費が重なり、入ってくるお金も未知数で、「これでお菓子屋がこけたら、終わりだな」という人生最大のピンチを迎えていたから。
妙に真面目な私の性分ゆえ、しんどかったー!
今は変に覚悟が決まって、少しだけ肩の力が抜けた感じです。
と同時に、お店を構えるまでは「私がダメになっても、渉が養ってくれるだろう」という甘えが頭の片隅にあったことを自覚する機会となりました。


そして今、お店を構えて2年くらい、ちょっとづつTSUCURITE を取り巻く環境が変わってきているのを実感しています。
インスタにも少し書きましたが、お店を構えていなかったら企業さんから商談のお話はいただけなかったでしょう。
少しは「TSUCURITEに対する私の真剣さ」が伝わったのかな。
覚悟決めて粘り強くトライアンドエラーを繰り返すことの大切さをしみじみ感じています。

こんな感じでこれからもバッタバタしながら、安定とは無縁の日々となるでしょう。
段ボールに詰めたお菓子をアルミ製の背負子にのせて背負って行商に出ていた開業当初、
オーブンをスーツケースに乗せて電車で運んだ、台湾での活動1年目、
なにもわからず商業施設の催事に参加させていただいて玉砕した時、
英語しか通じない環境でお料理のデモンストレーションの仕事をさせていただいたカナダでの2ヶ月間、
什器は全て家族と自作した国分寺店開店時、
初めての土地でガッツリ投資した厚木店開店時、
そして今。
私はどのタイミングも楽しい日々でした。
周りから見たら辛そうとか、大変そうと思われるかもしれませんが、
背負子を背負っていた時も
「平成版の行商スタイルじゃん。」
と本人は楽しんでおりました。


どんな仕事をするにしても、辛い時間はあるし、逃げ出したくなる時はあると思います。
でも私、粘り強さは自信があります。
TSUCURITE人生を貫くぞー。
言い訳して投げ出したり逃げるのは簡単ですが、
「どうしたらお客さんがよろこんでくれるだろう」
という観点を忘れなければ、頑張りどころの見極めをしっかりできれば、大丈夫だという変な自信があります。
もし万が一、TSUCURITEが迷走して、私が目先の利益に目が眩んでバイトとかに出そうになってたら、皆さん、止めてください!

ちなみに我が家は自営業同士です。
これまでどちらかがピンチになった時には、ちょうどもう一方が頑張れるタイミングで、片方がサポートして、片方が先頭に立ってシャカリキになって窮地を乗り切るというバランスで15年やってきました。
サポート側とプレーヤー側が随時交代していくスタイル。
お笑いで言うなら、笑い飯みたいに、両方がボケるような感じかな。
この5年くらいは激動で喧嘩も多かったけれど、渉には心の底から感謝しています。
渉が言い出さなかったら、お店を構えることはなかったでしょう。
「お店を構えて良かったね」
と言い続けられるように、日々精進です。

こんな気持ちで10年目がはじまりました。
渉、私の両親、渉のご両親と兄弟、友人たち、お客さん、一緒に仕事をしてくれる仲間、SNSで見てくれている皆さんに感謝です。
そして私の心のオアシスとなってくれた猫たちにも感謝。
10年目も確実に実りある1年にするので、
「おいおい、今度はあの人そんな展開なのかーい!」
と笑っていただけると嬉しいです。

プレッシャーって力に変換できるんだね。

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