【値段に関する困りごと】

最初に言おう。
ニッチな内容なので、興味のない人はスコーっと読み飛ばしてください。


私の周りにはものづくりをしている人がたくさんいます。
類は友を呼ぶというやつ。

値段の決め方が難しい
そんな言葉を複数の人から聞きました。
たしかに自分が作ったものに値付けするって難しい。
そして値段に関する困り事って多い。
発展途上の身ですが、その過程で感じていることをちょっと書き出してみます。
(製造業視点です。小売業には当てはまらないのでよろしく。)

製造側の視点になっていないかを確認する
お店をやっている人なら経営的な観点で
「1日でこれくらいの売上を上げたい。(経費をペイして利益が出るように)」
という目標を立てていると思います。
お客さんの予想数がこれくらいだから、それをクリアするためには客単価いくらくらいで、何を何個くらい売ればいいか、そもそもそれを製造する事は手数からみて可能なのか、などなど考えるわけです。
でもこれは製造販売側の視点で、お客さん視点ではありません。
お客さんがどういう楽しみ方をするだろう、そのためにはこれを用意したら喜んでもらえるか、を頭に置いて考えるのを忘れてしまうと、お客さんに喜んでもらえないし、売上も上がらないしで、散々な結果になります。

私の場合はお店ではシビアに考えてはいませんが、バイトをお願いするポップアップなどは考えています、というか考えざるを得ない状況というだけですが。
そして私の場合、1人製造でいかに手間を減らせるかが勝負なのですが、その製造側視点だけで考えていてもだめ。
製造側も、お客さんも、無理せず楽しめる落としどころの模索が必要だなと常々思っています。

原価より人時生産性をみる
販売価格に占める原材料費の割合を原価率といい、
「商品の原価率はこのくらいにした方がいい」
みたいな指標があって、それは知っている方も多いと思います。
確かに原価率は大切な指標の一つであって、私も数年前まではそれを結構見ていました。
が、今思うのは
1人が1時間で生み出せる金額=人時生産性
の方が大切。
なぜなら


「原価は安いけど、すごい手間がかかる」
→人件費がかかる(経費の中で人件費が何より高い)


「原価は高いけど、短時間でたくさん作れる」
→人件費がかからない
→プラスお客さんがその原材料の価格が高いと言う共通認識があったら、お客さん視点で高いものが手頃な価格で手に入って嬉しい。

もちろん「じっくりコトコト煮込みました」も価値があるけど、それがお客さんに対して利益になっているのか?
時間を半分にして同じ美味しさにする方法はないか?
自己満足の押し付けではないか?
を模索するのも大切。

また良くあるのが
「こだわって、丁寧に一つづつ手作業で作っています」
という売り文句。
それは主張するものではなくて、商品から滲み出て消費者側が感じるものではないと思っています。

自分の人件費を考える

私みたいに一人製造のお店の場合、
「人件費の支払いがない」
けれど、実際は私が動いているわけで、体力も時間も有限だから、無理がくることをしっかりガッツリ実感しました。
長く続けるためにも、自分にきちんと人件費を支払えるような体制を整える必要がありますな。

値段を下げるのは最後の一手
お菓子屋に限らず、新商品が動かない(売れない)時、
「値段を下げようかしら」
という気の弱さからくる罠があるわけですが、
基本的にこれはやっちゃいけないやつだと思っています。
1番手っ取り早い解決法にみえるからやりがちですが、つまるところ
「商品そのものの見せ方、利用シーンの提案ができていない → 価値が低くみえている → 売れない」
なので、値段を下げたら売れたとして、また同じことを繰り返すことになる。

あと先日、ものづくりをしている人が話していたのは
「趣味でやっている人がものすごく安い値段で出していて、それと比べられると困る」
という話。
確かに安い方が売れるという現場もある。
バザーやフリマ併設のマーケットで見かける光景。
しかし、それが「安い」という理由で選ばれているのであれば、その先はないから気にしなさんな、と私は言いました。
なぜなら、もっと安い物が出てきたら、その安さで選ばれているブランドはさらに安くしないと魅力が損なわれるわけだから。
それよりも、
「一歩づつでも、商品やその使い方の提案をブラッシュアップして、魅力的なものづくりをすることに注力して、それに見合った金額をいただくことを地道に繰り返す」
ことがブランドを育てるということなので、結果的に未来は明るい。
目先の利益にとらわれちゃいかんね。

売れない時は、商品自体に問題がある事が多い

原材料表示を見ると、
「なんでこの材料で、こんなに高い値段なのさ?」
と思う商品は世の中に溢れているのですが、それは消費者に利用シーンを想起させるものであったり、味はフツーだけど個包装で賞味期限が長いなど使い勝手が良かったり、何かしらのメリットを提示できている物が多い。
お菓子を作っている人はおいしさに集中しすぎて
誰がどんな時に手に取るのか想定した商品設計ができてますか?
自分が売りたいものの押し付けになっていませんか?
ここをおざなりにしがち。
ここは粘り強く考えなければいけないところ。
私自身が出来ていないこともあるので、書いていて辛いけど、ここなんだよ、ここ!

そして最後。
これは値段にまつわる話ではないけれど、最近、妙に納得した商品作りのポイントについて。

何を売りたいのかを明確にする

これは先日、一緒にとある商品をみていた友人(商業施設にテナント誘致する仕事をしている)が言った一言、
「このブランドは何を売りたいのかがわからない。」
と。
デザインを売るブランドなのに、そのデザインが使われた商品の一番目立つところにデカデカと面積をとって、そのブランド名のタグが配置されていました。
そのブランドがヴィトンやエルメスみたいな著名なブランドなら100歩譲ってありだけど(お客さんがそれを求めているケースもあるから)、
そうでないならブランド名は目立たないところに入れるはず。
なぜならデザインを売りたいなら、ブランド名やロゴはデザインの邪魔にならないところに入れるはずだから。
私自身、
「なんだかこのブランドの商品、よくわからないなぁ」
と感じていた理由がわかった瞬間でした。

物作りをしている人の参考になれば、これ幸い!

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