【チーズおかき】

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6月頭の薄曇りの日、
祖母のお葬式を行いました。
祖父の意向で
11名のみ参列の家族葬。
朝、葬儀社の方がいらっしゃり、
おばあちゃんが棺桶の中に入りました。
すると祖父が
「記念写真を撮ろう」
と言い出し、
棺桶の後ろに親戚で並んで記念写真を撮りました。
普通は考えられない光景だと思いますが、
喪主の祖父が撮りたいというのだからと
迷いなく撮ったのでした。
それから会場へ行き、
セッティングが終わると
「祭壇の写真を撮って」
と祖父。
私が撮っていると
「こっちの方から撮って」
と細かいアングル指示が飛んできました。
こんなおじいちゃんを見て、
きっとこの「独自なスタンス」は
母や私にも受け継がれているんだろうなと
感じたのでした。
写真は待ち時間に食べたチーズおかき。
私の中では、
 チーズおかき=小さな頃、祖母のところへ行くと食べられた豪華なお菓子
とインプットされています。
あれから20年近くたっても変わらない味に
「そうだ、これこれ。」
と懐かしくなり2つも食べてしまいました。
それから親戚のお坊さんにお経をあげてもらい、
焼き場へ。
それまでは現実感がなかった私ですが、
祖母の棺桶が炉に入れられる時、
「行ってしまうんだ」
と一気にいろんな感情がこみ上げてきました。
棺桶には参列者が書いたメッセージカードを入れました。
祖父は
「ママにはとてもお世話になりました。
 あと数年後には僕もそちらへ行くので、
 また仲良くしましょう。」
と書いていました。
最後まで祖父に愛されていた祖母は幸せ者だし、
そこまで好きな人と暮らせた祖父も幸せものだなと。
たまに悲しそうな顔をする祖父ですが、
周りが思ったよりも元気そうにマイペースに過ごしているのは、
あの世でまたおばあちゃんと会えると思っているからかなと
思いました。
祖父は88歳。
兄弟はみな90歳以上生きたという長寿の家系です。
今のところ、
若い頃の事故で耳が遠くなった事以外は
病気などを全くせずに元気に過ごしています。
これからまたちょくちょく、
祖父に会いに行こうと思います。