【体にいい食とは何か】

写真は自家製そら豆あんが入ったお饅頭。
自家製あんこは甘さ控えめで美味しいからと入れすぎて、焼成中に表面が割れてしまいました。
欲張りすぎちゃいけないな。
過ぎたるは及ばざるが如し。

ここからは、全然違うお話。
職業柄、飲食店の情報、商品情報を見ることが多いのですが、気になっていることがありました。それは特にお菓子屋さんやパン屋さんで
”丁寧に一つ一つ焼き上げました”
”こだわりの素材を使用しています”
と謳っているお店紹介。

「それって当たり前の、大前提じゃない?」
と疑問が湧くの巻。
私と同じような個人営業のお菓子屋さんは労働環境から考えても、好きじゃなきゃできないし、
だとしたらもちろん丁寧に作り、素材にもこだわっているだろうと思うのです。
でもそれはあくまで作り手側の気持ちであって、お菓子を手に取るお客さんに
「丁寧にこだわって作っていますよー。」
と押し付けるものではないよなと。

そしてもう一つ気になってしまうのが
” 体に優しい ”
という文言。
アレルギー対応、低糖などを言い換えている場合も多いけれど、
ふと
「体に優しい食べ物ってなんだろう。」
と考えてしまいました。
こだわりの素材で丁寧に作られたものならば、体に優しいんだろうか??

体にいいか悪いかを判断する時には油分が少ないとか、糖質が少ないとか、いろんな指標があるけれど、
最終的に私が思う” 体に優しい食べ物 “は
” 美味しいと感じながら食べられるもの ” だなという結論に至りました。

極端なことを言えば、遠い国で作られた農薬たっぷりのお野菜だとしても、
家族揃って食卓を囲んで楽しい話をして美味しいと感じられたなら、
それは体に優しい食べ物。

逆に、オーガニックの無農薬のお野菜だとしても、
気持ちがガサガサした状態で一人寂しく食べたら、それは体に優しくない食べ物。

重要なのは、その食べ物を口にするときの環境と心理状態だなと思うのです。
もちろんその食べ物自体の美味しさも影響するけれど、多くの人は
「自分で手をかけて作ったから美味しく感じられる。」
「子供が頑張って作ってくれたから、美味しく感じられる。」
「亡くなった祖母が昔作ってくれたメニューだから、美味しく感じられる」
「みんなで笑いながら食べたから、美味しく感じられる。」
「大きな仕事が成功したから、その後の食事が美味しく感じられる。」
「大きな失敗をした自分を慰めようと作ってくれた食事だから美味しく感じられる。」
なんて経験をしたことがあるはず。
食べ物が口に入るまでの過程、食べるときの環境、その食べ物にまつわる思い出が、人の感じる” 美味しさ ”に影響を及ぼし、” 体にいい食か否か ” が決まるのかなと思います。

こうして文章にすると難しく見えるかもしれませんが、
要は食べる人の気持ち次第ということ。
健康を害するような極端な食生活は体に良くないけれど、
「体に悪い食べ物は絶対食べない!我慢する!」
と自分を追い込むことも体に良くないはず。
たまにはジャンクフードや甘い物をたらふく食べたり、飲み過ぎたり、波があって良いのである!

そんなことを考えつつ、私自身も忙しいと十分に味わえず食べ過ぎてしまうことがあるので注意しようと思いましたとさ。